宗麟とカボチャ
宗麟「困った。困った。」
作者「どうしたんですか?」
宗麟「次男の親家がさ、いくつになってもちゃんと仕事をせず、ぶらぶらと遊んでいるんだよ。何をやらせてもかえって事をおかしくしてしまうため、いつもにハラハラするんだよね。でもいい子なんだよ。肩ももんでくれるし、シスター合コンのセッティングもしてくれるできる子なんだよ。」
作者「合コンはともかく........。宗麟さんがハラハラってすごい息子ですね。」
宗麟「覇気はあるんだよ。天下とったるで!とかいうしね。でも気性が荒いし、モテターイって暴れるから、仏の道で煩悩を捨てなさーい。ってお寺に預けたらさ、親家のやつ還俗して。
「どうもキリシタンのドン・セバスチャンです。」だって、
M1目指す芸人かよ。あきれるでしょ。」
作者「いや、あなたも「蹴鞠ジャパン」とかいってましたよ。」
宗麟「そこいう?若気の至りだよ。でさ、親家呼んで、おまえ毎日、女とぶらぶらと遊んでいるんだって? お前のお袋イザベルがな、『何か商売を覚えさせてくれ』と言ってたが、何かやるか?って聞いたんだよ。」
作者「ほう。なんて言ったんですか?」
宗麟「いやだって。キリシタンはモテるから大丈夫って。」
作者「いや遊んでちゃ飯が食えないでしょう?」
宗麟「飯と茶碗があれば大丈夫って。しかもカレーはスプーンで食うよって。そこいう?みたいな。あきれるよねー。」
作者「馬鹿息子ですねー。」
宗麟「やめてよ。ハラハラするんだから。でもかわいい息子だからね。」
宗麟「そこで、南蛮船できた、カボチャ売ってこいって言ったんだよ。」
作者「ほう。かぼちゃ。珍しいから儲けますね。いくらで売ったんですか?」
宗麟「元値が十三銭。これに上(儲け)をみて売れよ。って送り出したんだよ。」
作者「儲けは息子さんにあげるんですね?優しいお父さんですね。」
宗麟「そしたら、儲けなくてさ。元値しかないんだよ。」
作者「えっ!どうしたんですか?上(儲け)をつけないで売ったんですか?」
宗麟「親切な男に元値を告げたら売ってくれたんだって。「親家はしっかり空(上)を見ておりましたぞ。」っていうからあきれるよねー。」
作者「........。」
宗麟「で、これじゃ儲けないし、一人じゃ暮らせないでしょう?もう一回売ってこい!って送り出したんだよ。」
作者「さすがにそれじゃ生活できませんもんね。」
宗麟「そしたら親家「親切な男に大量に売れた。」って喜んで帰ってきたんだよ。カボチャ全部売れて更に城にある分も売ったって言うんだよ。」
作者「すごいじゃないですか!凄腕バイヤー誕生ですね。」
宗麟「後日、商品受け取りにきますから城の鍵開けといてっていうから。城の鍵開けといて待ってたら........。」
作者「待ってたら........?」
宗麟「島津軍攻めてきた。」
作者「え!」
宗麟「島津がかぼちゃ買うってだまして城乗っ取っちゃった。どうしよう?」
作者「なにしてくれてんですか!親家、馬鹿息子けってーい!」
宗麟「やめてよ。いい子なんだから。」
こうして豊薩合戦の火蓋が切られた。
島津軍の手引きをした親家はこの後も、度重なる「不忠」で死刑を言われるが宗麟がことごとく土下座して助けて貰ったという。
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