見出し画像

‟あこがれ” の秘密

うんと幼いころ
毎晩のように空を飛んだ
わたしの大好きな夢だった

でも

人間は空を飛べないと知った日から
その夢はとだえた
わたしは空を飛べなくなった

おとなになって
優雅に大空を舞う鳥を見ると
あこがれがよみがえる

わたしのロマンを乗せて
飛べ!
鳥よ、自由に飛べ!

         *

 まず、この質問に直感で答えてください。
「人間以外の生きもので何になってみたいと思いますか。その理由もあげてください」
 これは心理テストのひとつ。
 あなたの答えは何でしたか? ちょっとメモしておきましょう。

 このテストの魅力は、自分があげた理由をひっくり返してみると、今抱えている不満が浮き彫りになって、そこから理想の生き方を導き出せることです。

 この質問に「イルカ」と答えた女性がいました。
 理由は「スピリチュアルな生きものだから」
 自分は賢くないしひらめきもわかないと訴える彼女は、精神性が高いといわれるイルカにあこがれたようです。
 理想的な人生を尋ねると「叡智にあふれて、ひらめきにしたがって生きること」と答えました。

 実は、理想として掲げた内容は、その人の得意なことで、本当はその人がもっともしたいことなんですね。その能力を持ちながら生かし切れずにいるから、息苦しいのです。
 彼女にいいました。「根拠のないひらめきよりも、理屈に頼ろうとするところがあるでしょう? これからは理屈で判断する前に直感にたずねるようにしてみて。きっと本来のあなたが活躍しはじめますよ」

 ほかには、「猫」と答えた人がふたりいました。
 そのひとりがあげた理由は「気ままな行動を許される点がうらやましい」
 この人は、型にはまったことが嫌いなんですね。常識を超えた発想を求められる仕事に向いているのかもしれません。

 もうひとりの理由は「人間からこんなに愛されてる猫がうらやましい」
 こちらはちょっと愛欠乏症に陥っているようです。自分には愛される価値が十分あることを自覚して、ほかの人の面倒を見る仕事に携わると “やりがい” を実感できるかもしれません。

 さて私はというと、幼いときからあこがれていた生きものは「空を飛ぶ鳥」、鳥は自由の象徴です。
 子ども時代、親が押しつける常識や学校でのキマリが窮屈で、「卒業したら好きなことをして自由に生きる!」と強く思っていました。
 それで卒業すると、「自分の将来は自分で決める。何が待ち受けていても自分の責任で生きる」と決意して、惹かれる世界に次から次へと飛び込んでいったんです。

 私は自由に飛べる心の翼をどうしても失いたくなかった。どんなにつらくても、好きに生きることをあきらめたくなかったんです。
 そうして試行錯誤をくり返し、ついに天職と感じられる仕事に就くことができました。

 あなたも、心からうらやましいと感じる生きものを通して、どうすれば一度しかない人生を幸せに送ることができるか、探ってみませんか。
 あこがれの対象は人間でもかまいません。どんな人のどんなところにたまらなく惹かれますか? 大切なのは、あなたが胸に秘めたあこがれの強さ。その情熱こそが、理想的な人生を切り開く鍵になるから。

 近年、若い女性たちが熱いまなざしを注いでいるのは、モデルのようなファッションリーダーや女性実業家のようですね。今輝いている女性たちに共通する魅力を考えてみましょう。

 容姿、ポスト、仕事への姿勢は、表面に現れている魅力ですが、それを支えている内面の魅力が必ずあるはず。
 たとえば、物事をあきらめない、陰の努力を見せない、最高の自分を演出できる、たえず次の夢を追いかけている、生きるスケールが大きい……などなど。

 それを思い浮かべたとき、「私もあんなふうになりたい!」と強く感じるのは、あなたの中で眠ったまま出番を待っている、あなた自身の能力。
 あこがれの対象に認めた輝きは、あなた自身が秘め持っている輝きなんです。それが何かをしっかり見定めてください。

 それがわかったら、あなたも、同じものを自分の内面から引き出しましょう。それを引き出し、生かすことのできる格好の世界を考えるのです。
 そして、人生をかけて進みたい方向がはっきりしたら、することはひとつですよ。
 “志”を掲げる。志は、目標を達成しようとする強い意志。それが情熱をかきたてるのです。

 もう一度言います。
 最初に、‟あこがれ”を具体的な目標に変える。それを‟志”として掲げれば、エンジンが全開になって、必ず何らかの‟行動”を起こすでしょう。
「あこがれ」+「志」=「行動」
 これがそろうと、あなたの中に難関を突破する力が生まれるんですね。
 その力が「今さら……」「やっぱり……」と足を引っ張る気持ちを吹き飛ばしてくれるでしょう。

 不完全燃焼の人生を生きるのはつまらないと思いませんか。
 だったら、自分を信じて、未知の能力を開花させるチャンスを、あなたが自分に与えましょう。

        ★ 著書『幸せは、すぐそばにあるから』(幻冬舎)より★


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?