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自分が何を書きたいのかを見つけるためのノート(雑記帳)

ジョーゼフ・キャンベルは世界各地の神話に見られる英雄譚に共通の構造が有ることを見出した。
「英雄の旅、Heroes and the Monomyth(英雄と輪廻)」においてキャンベルは、オデュッセイアをはじめとする古今の英雄神話において、
(1)主人公は非日常世界への旅に出る
(2)イニシエーションを体験する
(3)元の世界に帰還する
という共通の構造を持っていることを示した。

実はヨーロッパ各地に伝わる聖杯伝説も同様な構造を持っており、
(1)王が病み(負傷し)、主人公である聖杯の騎士が聖杯に正しい問いをすることで回復を試みるが失敗する。
(2)騎士は聖杯探求の使命を与えられる。騎士は数々の試練を乗り越え、聖杯を発見する。
(3)帰還した騎士と聖杯によって王は癒され、国土は再び祝福される。

現代の小説でもスピリチュアルな分野では全く同様のプロットのものが見られる。例えばパウロ・コエーリョの自伝的小説「星の巡礼」でも、試験に失敗し、ガイドとともに隠された剣を見つけるための試練を繰り返しながら巡礼の道の旅が続けられる。そこで主人公が見出したものとは、決して著者個人にとってだけ意味を持つものではない、人生において誰もが遭遇しうる苦難を越えるための道標としての普遍的な意味を持つ。だからこそ、この物語が繰り返し読まれ、人々の心に刻まれ、いつか人々の道標となることを著者も望んでいる、それがこの本の隠れた人気となっているのであろう。

ならば、神話の英雄譚や聖杯伝説、さらには現代にそれらの物語を再構築したと評される「スターウォーズ」や「マトリックス」が、我々の日常に問いかけるもの、投げかけるものは何なのだろうか?

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次項「聖杯探究の物語と、現代において「ナラティブ」の意味するもの」へ

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