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【ヤッチャレ Day-15】 実業家 渋沢栄一

#yachallenge100days Day-15は、近代日本の設計者の一人と称された実業家の渋沢栄一氏(1840-1931)です。
2024年度より利用される新しい一万円札の顔に選ばれたということで注目度が急激に高まっている実業家です。

藍玉の製造販売と養蚕を兼営し米、麦、野菜の生産も手がける家に生まれ、商業的な才覚を養うために幼い頃から藍を売り歩き、藍葉を仕入れる作業も行ったと言われ、14歳の時からは単身で藍葉の仕入れに出かけるようになった経験が後の現実的な合理主義思想に繋がったと言われています。

その生い立ちから想像できないような荒波の青年時代、フランス留学を経て大蔵省に入省し、退官後は第一国立銀行(現・みずほ銀行)の頭取に就任したことをきっかけに実業界に身を置くようになったとのこと。他にも多くの地方銀行設立を指導しただけでなく、東京瓦斯、東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)、王子製紙(現・王子製紙、日本製紙)、田園都市(現・東急)、秩父セメント(現・太平洋セメント)、帝国ホテル、秩父鉄道、京阪電気鉄道、東京証券取引所、麒麟麦酒(現・キリンホールディングス)、サッポロビール(現・サッポロホールディングス)、東洋紡績(現・東洋紡)、大日本製糖、明治製糖、澁澤倉庫など、500以上の起業立ち上げに携わったといわれています。

大隈重信をはじめとした政府要人と親交があったとはいえ、これだけの偉業をなし得た源泉がどこにあるのかを紐解くには「現代語訳 論語と算段」というベストセラー書籍が欠かせません。

一般的な資本主義では自身の富を第一に考える「利己的」な側面が強く、しばしば権力が暴走して大きな大惨事を引き起こします。
それを諫めるための方法論を中国の「論語」に見出し、この考えを実業の世界に植え込むことで企業や経営者のあるべき姿を指し示したものと思われます。

その考えは現代においても不変なものがあり、様々な教養を現代ビジネスマンに遺してくれました。中でも私が気になった項目は以下です。
・自ら箸をとれ(47ページ)
・常識とはどのようなものか(65ページ)
・憎しみながらも、相手の美点を知る(69ページ)
・人生は努力にある(78ページ)
・金銭に罪はない(96ページ)
・熱い真心が必要だ(105ページ)
・人格の基準とは何か(125ページ)
・競争の善意と悪意(156ページ)
・良心と思いやりだけだ(205ページ)

最後に渋沢栄一が残した「武士道とは実業道だ」の考えを引用して締めたいと思います。(165ページ)

武士道の最も重要な部分とは、次のようなよき習わしを足していったものに外ならない。
「正義」ー 皆が認めた正しさ
「廉直」ー 心が綺麗でまっすぐなこと
「義侠」ー 弱気を助ける心意気
「敢為」ー 困難に負けない意志
「礼譲」ー 礼儀と譲り合い
※渋沢栄一「現代語訳 論語と算段」165ページより

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