見出し画像

クリエイターになってみる

はじめまして。Noovo Inc.というアニメの会社をやっている宇田と申します。

今回自身の「監督」作である短編アニメ作品「青い羽みつけた!」の公開に先立って作品に対する想いなどを書いてみようと思っています。

作品は4月26日からdアニメストア他で公開予定なので是非見て頂ければと思います!

まず私自身についてはアニメ業界で10年近くのキャリアになりますが、今まで監督どころかクリエイティブの仕事をした事がありません。どちらかと言えば会計や管理を中心に仕事をしてきました。アニメの会計セミナーなどもやった事もありましたので、こちら是非ご参考にしていただければと思います。。

そんなお金の管理ばかりをしている私なのですが、なぜアニメ業界で仕事をしているかと言えば、それはシンプルに、

クリエイターが好き

という事になるかと思います。やっぱりクリエイターが人生をかけて作品を作っていこうとしている姿を見ると応援したくなるし、自分が出来る事で彼らの力になりたい、そう思ってアニメの仕事をしています。それが、自分にとっては会計だったりしています。

好きなクリエイターは数え切れませんが、業界の恩人という意味では庵野秀明監督は尊敬するクリエイターの1人です。私だけではないと思いますが、監督が作る作品をいつも楽しみにしていますし、作品作りに自分が協力できる事があれば何でもしたいという気持ちは今もこれからも変わりません。(まずはエヴァお疲れさまでした!!大ヒットおめでとうございます!)

そして、同士という意味ではペンギン・ハイウェイの石田祐康監督も大好きなクリエイターの1人です。この10年は石田くんとともに駆け抜けた感じでしたが石田くんだけではなく若いクリエイターが業界の最前線で作品を作れる環境を今後も出来る限り実現していければと思っています。

という感じで自分としては今後も変わらず、

クリエイターが最高の作品を生み出せる環境を作るために自分の力を使う

を仕事のモットーとしていくつもりなのですが、そんな自分がなぜ今回は監督デビューをしたかをお伝えしていこうと思っています。

先ず隗より始めよ

これは中国の故事で「遠大な計画は身近なところから行うとよい」という意味です。才能あるクリエイターには自身の想いが入った作品を作って欲しいと思っていますが、なかなかそういう機会なんかない、また自分なんてまだまだ、、と遠慮がちなクリエイターも少なくありません。そんな人に「自分もやってみたので、是非挑戦してみましょう!」と言えるようにまずは自分で作品を作ってみる事にしました。

UnrealEngine

自分はそもそもアニメに関わらずテクノロジーが大好きという傾向があります。作品制作でもなるべく最新技術を使ってみたい、と思うタイプなのですが、さすがに人の作品で勝手に実験するのはよくないので自分の作品で最新技術を導入して制作する形にしました。

そして、この作品はありがたいことにEpic Gamesによる開発資金提供プログラムに採択して頂き、制作費の1部をEpic Gamesに負担頂く形で制作を行っています。なので、思う存分UE4を活用して2Dアニメを作ってみようと思っています!

結局自分の周りは優秀なクリエイターが多い

では、自分は監督としてどういった事をしているかというと、リアルには何もしていません(笑)参加してくれているクリエイターが主体性をもって取り組んでくれているので、自分の仕事は今までと変わらずお金の管理とクリエイターの皆さんに「いつもありがとうございます」という事くらいです。世の中には色々なタイプの監督がいますが、まー、こういうタイプの監督がいてもいいかなと(笑)クリエイターが作品を好きになってくれて、作品のために最善の努力をしてくれるので私自身はその環境を作る事と、そして参加してくれたクリエイターがとても素晴らしい仕事をしてくれたという事をきちんと伝えるために今回は「監督」という肩書をお借りして色々と発信していこうと決めました。

監督になって分かった事

とはいえ、作品制作の過程において全く何もしない、という訳にはいかないので多少は監督っぽい仕事もしています。そして、監督になってより理解出来た事としては、

作品のクオリティは参加するクリエイターのモチベーションでだいぶ変わる

という事です。これはアニメ業界にいる人ならほとんどの人が理解している事ですが、実際の作品制作に参加する事でより理解する事ができました。今回の作品のモチーフは「鳥」になりますが、作品は圧倒的な「鳥へのこだわり」がつまった内容になっています。アニメは総合芸術だと考えていて、映像、音楽、キャスト、全てが揃っていないと作品としていいものにならない難しい作業になりますが、幸いな事に今回関わって頂いた方全てが作品を少しでもよくしようと取り組んで頂いたのでめちゃくちゃいいフィルムになっていると思っています。そういった意味でも是非多くの方に見て欲しいと思います。

私自身については、今後自分で監督をやることはないかと思いますが、今回の経験をもとに、よりクリエイターがモチベーション高く取り組める現場作りをしていきたいと考えています。

好奇心が人生を動かす

作品の事にもちょっとだけふれさせて頂くと、この作品のテーマは好奇心だと考えています。作品内容としては、青い羽を見つけた兄妹が持ち主を探しにいく事を思いつき、そこに不思議なカラスが現れて冒険がはじまる、という内容ですが、きっかけは兄妹の好奇心であり、その好奇心に惹かれて不思議なカラスがやってきて、カラスとの出会いで世界がひろがるという事を表現しています。あまり、細かくは言わないようにしないと、、と思いつつですが、作品のベースとしては10年前に新しい挑戦がしたいとアニメ業界に飛び込んだ自身に重ねているところもあります。そしてアニメ業界には良くも悪くもメンターになって頂いた方が多くいましたのでそういった方をイメージしてカラスに重ねました。社会の中でのメンターは必ずしも正しい道を教えてくれる訳ではなく、家庭や学校では教えてくれない「世の中のリアルな知識」を教えてくれるイメージで、そういったキャラクターを声優の杉田智和さんが大変丁寧に演じて頂きました。好奇心が人生を動かし、様々な出会いを重ね世界が広がっていく喜びを感じる楽しさを絵本やアニメを通じて表現したいと思い、今回の作品を制作しました。

結局言いたいのは作品を見て欲しい

本当はもっと色々とお伝えしたい事があるのですが、長くなりすぎると疲れてしまうかと思いますのでこの辺りにしようと思いますが、結局お伝えしたいのは参加した全員が熱量高く制作した作品なので是非見て頂きたい!という事です(笑)よろしくお願いします!

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?