受験小論文記録㉔ 少子化対策と政府による結婚支援

設問 政府や自治体が結婚支援に取り組むことについての、賛成反対両意見を紹介しつつ、あなたの考えを1000字以内で述べよ

設問
 政府や自治体が結婚支援に取り組むことに対して、子供の出生率が上がる見込みが増えることや、孤独を感じる若者が減る可能性があるなどの賛成意見があり、又、反対意見としては、結婚を推進しても、子育てするかどうかの選択は自由だという意見などもある。
 例えば、若者がその市で結婚をするとお祝い金を渡す、という一種の結婚支援があるが、この場合のお祝い金にあたるものを家や土地などの価値の高いものにすると、自治体の本来の目的である市民全体を平等に支援するということから乖離してしまうという反対意見もある。一方、福岡市が行っている子供の医療費を負担するという施策は、平等で全体的な子育て支援となっているし、子育てを強要するような側面もない。
 政府の結婚支援への反対意見にもあるが、政府や自治体は、支援をするにしても、個人の私的な判断や価値基準に干渉しないように努めなければいけない。
 なぜなら、個人は信教の自由や言論の自由などの私的領域における自由を守られなければいけないからだ。又、結婚している人々や子供を産み育てる人たちのみを優遇することは、逆に言えば結婚したくない人や子供を作りたくない人、あるいは産めない人たちを排除することになる。したがって、結婚や子育てなどの私的な領域への介入は許されないのだ。
 政府の私学への援助や、子育て支援は、政教分離の原則や私的領域の自由に違反しない、なぜならそこには教育費の増大に伴う貧富の格差からの教育格差や、子育てにかかる費用をサポートするという社会的目的があるからだ。又、移住者へのサポートも、私的領域の自由は侵害していないので同様に正しい援助である。
 ゆえに、政府や自治体は、私的領域の自己決定権を侵害することのない範囲で、経済格差や教育格差を是正するといった社会目的のある政策のみを施行するべきである。

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