受験小論文記録㉘ 死刑制度は維持すべきか廃止すべきか

設問 死刑制度の維持についてあなたの考えを800字以内で述べよ

設問
 死刑制度を維持するべきという意見の論拠として他人の人権を侵害した責任を取らなければいけないためというものがある。人間は基本的人権が認められているがその自由は他人の人権を侵害は他人の人権を侵害しないという前提の下存在する。例えば、他人の生存権を侵害した場合、侵害した人はその責任を取らなければならない。又、二つ目の論拠として、社会の秩序を乱した責任を取らなければいけないというものがある。他人の人権を侵害することは社会のルールを破る行為であり、それをした人は、その責任をとらなければいけない。
 死刑制度を廃止すべきという意見の論拠として政府が禁止した人権の侵害を罰という形で行ってしまうためというものがある。二つ目の論拠として、死刑で犯罪を抑制できないというものである。これまでの、多くの国家が近代国家となり、刑法を作り、罪を裁いてきたが、死刑の有無によって犯罪は抑制されないことが研究結果としてでている。又、自分が死んでも相手を殺したいという復讐心を持った人々には、死刑は抑制力とならない。
 私は死刑を廃止すべきだと考える。近代国家になって以降、国民には基本的人権や自由が認められてきた。それは、他人の人権や自由を侵害しないという前提の下保障されている。刑法にて犯罪として裁かれる場合、他者の人権や自由を侵害した責任を取らなければいけないという名目の下裁かれる。死刑賛成派は、相手の生存の自由を奪ったことに対する責任を死で償うべきだという反論をしてくるが、この理論ではより良い社会を目指すという点において発展性がない。より良い社会は、犯罪が起こらず人々すべてが自由に豊かに暮らせる社会と定義づけるが、これを目指すために、犯罪者に反省させ、別の形で罪を償わせることこそ、責任の取り方として適切である。私はより良い社会を目指すという姿勢を評価して、死刑を廃止すべきだと考える。

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