#オペラ座の怪人 #最後のキスの意味は

友人に誘われて劇団四季のオペラ座の怪人を観劇して以来、一体クリスティーヌの心はラウルにあったのか、ファントムにあったのかの論争をかれこれ1ヶ月…笑笑

問題点は
物語の終わり場面、クリスティーヌのキスを受けてファントムが、若い2人を解放した後、クリスティーヌが指輪を返しに戻って来た場面。
指輪を返してクリスティーヌは去り際、all I ask of youを歌い出します。
歌詞は 
私と人生をシェアすると言って♪

その歌は一回目はラウルとクリスティーヌがオペラ座の屋上で恋人同士になった時にデュエットした歌であり、
2回目は、オペラ「ドンファンの勝利」の舞台上、クリスティーヌに仮面を剥ぎ取られて追い詰められたファントムがクリスティーヌに愛を告白する形で歌った歌です。

その愛の歌をクリスティーヌは今、ファントムから愛の告白を受けながらも涙ながらのお別れを告げ、名残惜しげに去りながら…
誰に向かって歌い出す?ラウルに向かって?
いや〜そんな心無いこと、する?
ファントムに向かって歌いだしてるでしょう。クリスティーヌはファントムに愛を告げているのだと思います。

 クリスティーヌのことを気も狂わんばかりに求め、殺人事件まで起こしたファントムだが、絶対ありえないと思っていたクリスティーヌからのキスを受け、それが彼女の本心からの愛のキスだと確信したからこそ、理性を取り戻し、若い2人を解放する事が正しい行いだと分別したのだと思うのです。

クリスティーヌの方は、

音楽の天使さま、私を栄光の道へ導いて下さいと敬慕していたファントムが、実は大変な哀しみの中に生きていた、
そして自分を愛し過ぎて気狂い沙汰を起こしているのだと理解できた今、
彼に寄り添ってあげたいと言う本当の愛に気づいたのだと思います。
それまではファントムの声に操られてしまう自分、怖い、ラウルに守られたい、ラウルに愛されたい、と思っていたのだけど、ファントムの心を理解できた今は、彼に寄りそってあげたい、愛したい気持ちに気づいたのだと私は思います。

だからあのキスはラウルを救う為のキスにもなったけど、クリスティーヌの本心の愛のキスだったと思うのです。 

そしてファントムにもそれがわかったのです。クリスティーヌの心を得られたと。だからこそ、満たされたからこそ、分別が戻り、若い2人を行かせる事にした。
現実問題、自分は警察に追われる身の上だし。

クリスティーヌの方は、人生を私とシェアすると言って♪と歌い出したんだけど、
ラウルがその歌を引き取り、 
僕が連れて行きますよ、とクリスティーヌを引き取って行ったのだと思うのです。ラウルもクリスティーヌがファントムを愛していると感じ取ったと思います。その上で、です。
だから、
そもそもの物語の始まりが、
歳とったラウルが、妻から聞き及んでいたファントムの遺品、猿のオルゴールをオークションでゲットし、「妻クリスティーヌも亡くなり、やがて私も亡くなっても、お前は音楽を奏でるのか…」と呟く場面から始まります。

ラウルとクリスティーヌの結婚生活は屈託ないもの、ではなかった、
クリスティーヌはファントムへの思いを引きずっており、ラウルもそれを感じながらも添い遂げたという事だろうと思います。
と言うのが私の主張なんだけど、
友人は異なります。

クリスティーヌのファントムに対する愛は音楽の師匠に対する敬愛であり、亡き父への思慕もあり、最後は憐憫の情もある。最後のキスは憐憫のキスだと言うのです。恋人として愛していたのはラウルだと。そして、
私が根拠としている、最後のall  I askof youの歌い出しがファントムに向かって歌い出しているのは、25周年記念ロンドン公演版のみで、それ以外は、ラウルに向かって歌い出して、2人で歌いながら去って行くって言うのです〜。ええ…そりゃないわ。物語だいなしだわ。
ファントムに涙ながらの別れを告げたその後ろ姿で、2人で愛の歌を歌いながら去って行く?ありえないわー。

しかも、2人がラブラブの人生を送ったのであれば、ラウルはファントムの猿のオルゴールを買いに来ないでしょう。 

友人もそこの違和感は認めてます。違和感を認めれば、私の解釈がピタリとくると思うねんけどなぁ…。でも、私も原作や、スーザンケイのファントムを読んだりして、ファントムへの思い入れが強すぎて、偏ってるでしょうか…。



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