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#4. 芝居未経験の人が共演者でも成立するのはなぜか 〜『why me?』ができるまで〜

お客様と行なう即興2人芝居
『why me?』vol.2まであと72日

本番を迎えるまで『why me?』に関連する内容を
Q&Aの形で説明していきます。

本日のQ&Aはこちら。

Q4:
芝居未経験の人が共演者でも成立するのはなぜか

A4:
その方の言動をそのまま有効利用するからです

野球には野球の、サッカーにはサッカーのやり方があるように
即興芝居にもそれなりのセオリーというものは存在します。
例えば、
「オープニングのシーンはポジティブに始める」や
「共演者の言った事には基本乗っかる」などが代表的なものです。

即興芝居を行うチームは
メンバー間でこのセオリーを共有し
能力を磨き意思疎通の精度などを高めていきます。

一方、ぼくの行なう『why me?』では
共演者を、その日劇場にいらしたお客様の中から選ばせてもらいます。
どなたを共演者としてチョイスするかはぼくの判断になりますが、
即興芝居の経験など積まれてない方が多数派です。
セオリーをご存知ないのはもちろん、
人前に立つのが苦手だという方さえいらっしゃるかもしれません。

それでも芝居を成立させられるのは、
共演者の言動を意味のあるものとして扱うからです。

ゲストの「視線」を例として話します。
芝居が始まった時、共演者の視線がどこに向くか様々な可能性が考えられるます。例を挙げると
 ・真剣にまっすぐ前を見つめている
 ・キョロキョロと辺りを伺っている
 ・斜め上を見て何かを思い出そうとしている
 ・目を瞑っている
 ・眉根を潜めてこちらを睨んでいる
こんなところでしょうか。
選ぶ選択肢によって、(観客とぼくが)共演者から受け取る情報が異なる事は説明するまでも無いでしょう。

共演者から出ている情報をキャッチし、
それを利用して物語やキャラクター性をクリエイトする事がぼくの役割となります。
例えば「真剣にまっすぐ前を見つめている」共演者に対し、
ぼくのとれる選択肢は無数にあります。例えば
 ・「(一緒にテレビを見ているかのように)犯人捕まったんだね」と言う
 ・「(別れ話のように)もう一度考え直してくれないか?」と言う
 ・「(視線の先の架空の人物に)父さんも母さんもお前のことを考えて言ってるんだぞ?」と言う
 ・「休憩取る?(と言いながらキッチンへ向かう)」
などです。

つまり、
"共演者の素材(ここで言う「真剣にまっすぐ前を見つめている」事)を活かして物語を創作(料理)する"
というのが『why me?』の形態
です。

そして大切な事は
素材を与えるのが共演者でそれを料理するのがぼくである、
とは必ずしも言えないのです。

ぼくが素材を提供し、
共演者がその素材でうまく料理してくる事も十分ありえるのです。

長澤も共演者も、
互いのクリエイティビティに影響を受けながら化学反応が積み重なって生まれてくる物語は本当に興味深いです。

『why me?』vol.2、是非お越しください。
詳細はこちらから、
ご予約はこちらからどうぞ。

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