マケラのシベリウス2番、5番@東京芸術劇場(20231018)

2023年10月18日に、コロナ以降、久しぶり(4年ぶり)にコンサートに行ってきました。クラウス・マケラ指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団のシベリウスの交響曲第2番と第5番のコンサートです。

マケラを知ったのはいつだったか忘れましたが、20代でパリ管弦楽団の首席指揮者になるなど活躍しているため、なにかの宣伝で知ったんだと思います。20代の指揮者というは、19世紀は普通にいたと思いますが(オットー・ニコライとか)、20世紀以降だとすこし珍しいということもあり、興味を持って演奏会に行くことに決めました。

肝心の演奏ですが、良かったと思います。シベリウスの2番の方は、鳴りがとても良く、大音量の部分では迫力満点でした。特に印象に残ったのが第2楽章の最後と第4楽章の最初のテーマですね。とくに後者の方は、曲が良いせいか圧倒的な感銘を受けました。

シベリウスの5番の方は、CDの演奏をYoutubeで予習していました。でもCDの方はなかなかピンと来なくて実演の印象もどうなるかと思っていましたが、実演は楽しめました。やはり第1楽章の最後の部分の迫力と第3楽章全編が印象に残っています。
おそらくCDよりは速めのテンポだったのではないでしょうか。あと、前から6列目の右端で聞いたので、コントラバスの刻みがとても良く聞こえました。
(なお、第3楽章ですが、わたしは、シベリウス本人が言ったような空を舞う白鳥には全く聞こえません。)

アンコールはレンミンカイネンの帰郷でした。これはベルグルントのCDで聞いたかもしれませんが、あまり覚えてなく、ほとんど初めて聞く感じでした。金管含めて音は良く鳴っていたと思います。アンコールの曲目を指揮者が英語で伝えていましたが、「Wonderful night (nightと言ったかは自信なし。)One more Sibelius.(これは多分行ったと思う。)」以外はよく聞き取れなかったです。関係ないですが英語はもっと修業が要りますね。

全体的な印象としては、CDと同じく、ベルグルントのような透明で硬質な音というよりは、より柔らかくて、濃厚な音でした。音をネットリと捏ねるような感じの指揮ぶりです。これはマケラのシベリウスの交響曲のCDでも特徴が出ていると思います。

マケラの指揮ぶりですが、棒の動きは明確で、わかりやすい指揮ぶりでした。いつもはオーケストラの演奏会では、指揮者なんか見ないで、団員の方ばかり見ていますが、今回は指揮者も良く見ました。

今年はこれでオーケストラはお終いにしますが(たった1回ですが)、来年以降もまたマケラの演奏は聞いてみたいと思いました。個人的にはシベリウスはやはり、6番と7番をやってもらいたかったというのはあります。これは次回以降の来日に期待したいですね。マケラの指揮するシベリウスの7番のCDの演奏にはとても感動しました。マケラには来年以降もまた、日本に来てもらいたいものです。

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