文献なしのオペラ入門6 オペラベスト10

これまで聞いたオペラの中でベスト10を主観で選びます。かなり適当です。
順不同で、年代順に選びます。

(1)モンテヴェルディ オルフェオ
(2)グルック オルフェオとエウリディーチェ
(3)グルック オーリードのイフィジェニー
(4)モーツァルト フィガロの結婚
(5)ベッリーニ ノルマ
(6)ベッリーニ 清教徒
(7)ワーグナー トリスタンとイゾルデ
(8)ワーグナー 神々の黄昏
(9)ワーグナー パルジファル
(10)ヴェルディ アイーダ

選択としてはかなり偏っています。ワーグナーを3曲も入れたのは個人的趣味です。グルックを2曲も入れたのに、モーツァルトが1曲だけというの普通の選択ではないです。本当はイタリアオペラももっと入れたかったのですが、筆者がイタリアオペラをまだあまり聞きこんでいないため、ベッリーニ2曲、ヴェルディ1曲のみとなりました。ロッシーニも入れたいところですが、湖上の美人、ブルスキーノ氏しか聞いたことがなくて論評できません(笑)。今後ロッシーニの主要オペラはすべて聞く予定ですので、気に入った作品ができると良いなと思っています。

以下、簡単にそれぞれの曲についてコメントします。

(1)モンテヴェルディ オルフェオ
オペラとしては初期の作品ですが、これは大傑作ではないでしょうか。一度聞いただけに鮮明にメロディが脳内に残ります。こういうことは、例えばヴェルディのマクベスなんかにはないです。そういう意味で傑作だと思います。

(2)グルック オルフェオとエウリディーチェ
(3)グルック オーリードのイフィジェニー
グルックは格調高いオペラが多いですが、この作品もその一つです。録音が古く演奏様式も古いのでお薦めは全くしませんが、オルフェオとエウリディーチェに関しては、フルトヴェングラーがスカラ座で上演した全曲録音にとても感銘を受けました。直近この演奏を聞いたから選んだようなもので、曲自体についてとくにコメントできるほど聞きこんでないです、すみません。

オーリードのイフィジェニーは序曲がすばらしいのと、全体を通した格調の高さが好きで選択しました。ワーグナーはオーリードのイフィジェニーの価値を見抜き、ドイツ語に翻訳して自ら上演したそうです。なお、後日談のトーリードのイフィジェニーも名曲で、こちらをベスト10に入れても全く問題ないです。

(4)モーツァルト フィガロの結婚
モーツァルトをたった1曲だけとはどういうことかと言われそうですが、筆者がモーツァルトの良い聞き手ではないため勘弁してください。1曲も取り上げないという選択肢もありましたが、やはりモーツァルトのすばらしさを考えるとなにも取り上げないとはいかないため、一番モーツァルトらしい、明るいフィガロの結婚にしました。個人的には、第2幕のフィナーレが重唱を中心とした劇的な盛り上げを見せて好きです。
なお、個人的にはドン・ジョヴァンニの方をより好みますが、やや暗い面がありモーツァルトらしい明るさが後退している部分があるので、今回は選から外しています。
モーツァルトは、魔笛、コジ・ファン・トゥッテ、後宮からの逃走、皇帝ティートの慈悲、イドメネオなど、これ以外にも名作オペラは多いです。個人的にはモーツァルトはイマイチ好きになれない作曲家ですが、一応、一通り聞いてみようと思っています。全曲、youtubeで聞こうと思えば聞けます。

(5)ベッリーニ ノルマ
(6)ベッリーニ 清教徒
そもそもワーグナーからオペラに入門したため、イタリアオペラをほとんど知らないです。ヴェルディなど一応、数曲聞いていますが、全く良さがわかりません。そんな中で、ベッリーニを聞いてみようと思った理由は、ワーグナーがベッリーニの旋律美を激賞していたからです。
確かにベッリーニの作品は全編、美しい旋律に満ちていて、聞いていて心地よいです。全部で10作品ありますが、どれもこれも名旋律に溢れています。
その中で、有名なノルマと清教徒を選びました。理由はノルマは有名な清らかな女神(Casta Diva、カスタ・ディーヴァ)があるため、清教徒はベッリーニの作品の中でもっとも劇的な盛り上がりを見せるためです。清教徒の第1幕の終わりの方の盛り上がりはすごいですね。

(7)ワーグナー トリスタンとイゾルデ
(8)ワーグナー 神々の黄昏(本当はニーベルングの指環としたいところ)
(9)ワーグナー パルジファル
については個人的な趣味です。3作品もワーグナーを入れていて、ウェーバー、リヒャルト・シュトラウスを1曲も選択していないのは相当偏っていますね。
トリスタンとイゾルデは第1幕への前奏曲と第2幕の愛の二重唱が聞きものです。
ニーベルングの指環のなかでは、オーケストラがもっとも雄弁な神々の黄昏を挙げました。第2幕最後、第3幕最後ともにオーケストラだけの演奏で締めくくられるように声楽付き大管弦楽曲のような曲です。第2幕最後のブリュンヒルデとグンター、ハーゲンの三重唱と、ジークフリートとグートルーネの婚礼の行列の音楽の部分は、第3幕のブリュンヒルデの自己犠牲とならんで、もっとも聞きごたえがあります。
パルジファルは長らくよくわからず、第1幕の場面転換の音楽のみ聴いていましたが、最近、第3幕の終結のすばらしさと第2幕の全体のすばらしさに気づきました。第2幕のクンドリーの誘惑の場面は必聴だと思います。

(10)ヴェルディ アイーダ
最後にイタリアオペラを挙げようというとこで適当に選びました。ロッシーニ、ドニゼッティ、プッチーニでも良いと思いますが、ヴェルディのアイーダにしたのは、第1幕、第2幕の親しみやすさのためです。第2幕の2つのバレエ音楽と凱旋行進曲は親しみやすさとわかりやすさでずば抜けていると思います。


ビゼーのカルメン、プッチーニのボエーム、トゥーランドットなどの傑作が全く入っていないかなり偏った選択ですが、どちらも格調の高さという観点から気に入らないので外しました。ロッシーニとドニゼッティはこれから聞きこんでいきますので、いずれベスト10を改訂して入れるかもしれません。

フランスオペラというとドビュッシーのペレアスとメリザンドがありますが、良さが全く分かっていないです。ところどころの響きの斬新さに特に感心せず、ただ退屈するだけなので入れていません。でも世間的には名曲とされているので、いずれ良さが分かるかもしれないと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?