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本を読めなくなったと思っていたら、そういう本に出会った

ふらっと行った図書館にて、本との出会い

今日は仕事が休みだったので朝から出かけていたのですが、ちょうど近くに市立図書館があったので、数十分時間を過ごす感覚で行ってみました。

なんとなく仕事関連の本を眺めていたのですが、たまたま読書術に関するコーナーに通りかかりました。
そのときぱっと目に入ったのが『本を読めなくなった人のための読書論』というタイトルの背表紙

以前、「本を読めなくなった」という記事を上げました。note 初記事です。そうなのです、本を読めなくなったという悩みを抱えていました。

すぐに手にとって、読み始めました。

共感でしかない・・・

冒頭の「はじめに」から強烈に刺さりました。

本のページを開く気になれない。仮に開いたとしても、文字は目に映るだけで心に落ちてこないのです。
文字を目で追うことはできるし、書かれている内容も理解できる。でも、まったく手応えがない。言葉に見棄てられたような感じがしました。

若松英輔『本を読めなくなった人のための読書論』

心に落ちてこない。頭に入ってこない。まさにその感覚です。
私の場合はすぐに気が散ってしまうということもあります。

「ひとり」の時間が決定的に不足していました。ひとりになって、自分と向き合うのを忘れていました。(中略)
人生にはさまざまな「気づき」があります。誰かと話し合うなかでしか感じられないこともありますが、ひとりのときにしか気がつけないこともあります。
対話は大切です。誰かと話すことは独りよがりな考えを改めてくれます。しかし、それは別に「ひとり」になってみないと分からないこともあります。
奇妙に聞こえるかもしれませんが、読書は、「ひとり」であることと、対話が同時に実現している、とても不思議な出来事なのです。
「読む」とは、「ひとり」であるところに始まる、言葉を通じて行う無音の対話なのです。
ですから、わたしたちは本から聞こえてくる「声」を受け入れる準備をしなくてはなりません。

若松英輔『本を読めなくなった人のための読書論』

引用が長くて申し訳ないですが、もう共感が過ぎて一言一句を大切にしたいってところです。

忙しくて時間が決定的に不足していて、読書に向き合えていない、対話の準備ができていない…ということはまさに自分の状態に合致していました。

ここまでで、まだ「はじめに」です。もう自分としては読むしかないだろうという感覚で、図書館に座り込み、1時間ほどで読み切りました。

 読んでみての気づき

私が感銘を受けたのは、大きくは以下の2点でしょうか。

  • 読書をするためには「ひとり」の時間をまず確保すること。インターネットやSNSは人とつながることであり、そこから離れない限り「ひとり」の時間は持てない。

  • 読書は「正しい」読み方があるわけではない。もっと自由で、個人的なものであり、好きに読めばいい。

前者についてはまさにその通り、安易な SNS などに逃げてしまっていますし、仕事から離れられていないというのも大きいです。読書に向き合うための「ひとり」の時間。改めてその時間を重要性を感じます。

後者については実は前者の時間を確保するべしということよりも、強く感銘を受けました。
読書に結果や成果を求めてしまっている自分がいるということを今回気づきました。

なにか得るものを得なければならない、早く読まなければならない、質も量もこなさなければならない…
「なければならない」という呪縛や制約が自分の意識の中に存在することを認識しました。

読書が楽しくない。楽しんでないなということですね。
この本の中でも、読書を楽しむこと、喜びを感じることの大切さを謳っています。

結果や成果を求めることもなく、不完全でもよく不完全であることを受け容れる。そんな自分を楽しむ…といったことも書いていました。

ぐぅぅ…刺さるわ…

まとめ

「正しさ」を強いられる必要はない。
読書も、何にしても、もっと自由に生きよう。

この本の著者である若松英輔さん、なんとなくですが言葉の選び方がちょっと好みかもしれません。ここでその漢字を当てるのかと、ふわっと異質感(≒良い違和感)をすることがありました。他の著作も読んでみようかと思います。



ちょっと追記

読書会というものがあります。同じ本を読んで、その感想やその事項をベースとした議論をする。
社内で同僚と技術書を片手に読書会をよくやっていました。

なんとなくですが、この読書会が自分には合っていない感覚がありました。
読んでいる感覚がなく、むしろ周りと歩調を合わせたり、読後の会話をどう進めるかに意識が向いてしました。本に向き合えていなかったのです。

自分のやりたい読書とは、違う読書なのだ読書会とは。そう気持ちを切り替えて望めばよかったのだと今更ながらに思うのでした。

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