頑張っているあなたに、ロメリア戦記をおすすめしたくなる理由
ロメリア戦記は、勇者が魔王を倒したあとの話ですが、わたしにとっては「英雄にはなれないけれど、英雄を生み出し、育て、英雄たらしめる【応援する人たち】の物語」です。
主人公のロメリア(女性)は、物理、魔法ともに戦闘力はありません。癒しの力もありません。あるのは俯瞰力、計画性、調整力、そして自分以外のチームメンバーの「運」を向上させる力という物語の主人公としては「地味」なサポートスキルです。
物語では、この一見地味なロメリアが、勇者パーティーから「役に立っていない」としてパーティーから追い出されながらも、魔王討伐後の混沌とした世界を救うべく、仲間を集め、創意工夫をしながら活躍をしていきます。
チームにいてくれると、チームが上手く周って成功する確率があがる、とても助かる存在です。しかし、自分だけの力で偉業を達成することは到底できませんし、わかりやすいカリスマ性もありませんから、いわゆる「英雄」にはなりえない存在です。ただただ、【応援する人たち】です。
こういう人ってクラスにも会社にもいませんか?「個人としての売上成績はぱっとしない」「発言は地味」「斬新な提案するわけでもない」「優しいわけでもない」「いなくても気付かない時がある」…。ただ、誠実にチームメンバーを【応援して支えている】。早めに変化に気付いて教えてくれる。無駄をなくして効率化をすすめてくれる。チームにいてくれると不思議と段取り良く進む。チーム内の意思疎通が円滑になる。結果、チームがなんとなく上手く回ることが多い。しかし、どう役に立っているかが数値化しにくいことなどから、多くの場合、エース営業、エース企画、エースエンジニアなどと比べて高くは評価されない…。思い当たる人いませんか?
わたしは沢山いました。そして、残念ながら、そうした【応援する人たち】は組織によって程度の差はあれど(少なくとも私が思うほどは)評価されていませんでした。わたしは【応援する人たち】がいなければ英雄は生まれないと考えていますので、とても不満でした。
そして、ついに留学中に「そうした組織がなければ自分が作ればいい」と考えるようになり、ついには会社を立ち上げてしまいました。会社の採用ページで、わたしからのメッセージとして、
と書いているのはそういうことなんです。また、これは最初から目指したわけではないのですが、集まってきてくれた社員の性質の結果なのか、会社(東京カメラ部)自体も、自社が英雄になる会社ではなく、写真家を筆頭とするクリエイターの方々を応援する会社となっています。
もうお分かりいただけると思うのですが、こんなわたしからしたら、ロメリア戦記に感情移入しないわけがありません(笑。存在を知ってすぐに発売済みの3巻までを読み終えてしまい、2~3巻発売までの期間から4巻発売日を予想したりしながら4巻の発売を待つようになり、図々しくも著者の有山リョウ先生ご本人にTwitterで「楽しみにお待ちしています」と伝えるほとです。
もし、【応援する人たち】が好きだったり、そうした人たちの物語も読んでみたいと思われるようでしたら、ぜひ、ロメリア戦記を読んでみてください。きっと後悔はなさらないと思います。
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