【仮想通貨noteレビュー】脱養分のススメ・実践編

著者:@vs_ino
2000円
★★★★★

プロ格闘ゲーマーである井上氏による、BTCFXという格闘ゲームの初心者向け解説書。

無料パートでは、派手なコンボを入れるテクニックや高度な駆け引きについて書かれているわけではない。
FXというゲームのルールとシステムを、このゲームに参入した初心者に、たとえ話を用いながら平易に解説している。

つまり、このゲームに参加するものなら当然知っていなければいけない「板取引の基本」を徹底的に解説している。
裏返せば、養分ほどゲームのシステムを理解しないまま、ウメハラやときどのようなガチ勢とやりあっているということになる。考えるまでもなく、勝てないはずだ。そういうゲームじゃねえからこれ。

知識✕テクニック✕経験✕心理戦。格ゲーとFXは共通点が多い。

本note無料部分では、まずは知識と基礎テクニックについて掘り下げている。
プロ格闘ゲーマーは、新作が出たら、まずは徹底的にゲームシステムを調べ尽くすという。自キャラはもちろん、すべてのキャラが持つ技の発生F(フレーム)、持続F、硬直F、ヒット時の有利不利F、無敵時間、キャンセルの可否、ゲージを使ったときの技の変化、スーパーコンボの特性。それらほとんどを頭に叩き込み、相手の行動に対してどのような行動を取るべきなのかを、1/60秒の世界で考え、戦っている。

つまり、そのゲームを触れば誰でも得られる平等な情報を、徹底的に調べ尽くし、自らの知識として蓄えるのである。

これは、調べようと思えば、時間と根性があれば初心者でも調べることは可能だ。これらの情報を調べようともせず、ゲームシステムをや特性を知らないままゲームに参加している頭大貫な重度養分が勝てるわけがない。

ちょっとゲームを触って波動拳が撃てるようになったレベルで、大金を抱えて百戦錬磨のガチ勢と戦っているということを理解すべきだろう。

小足見てから昇竜余裕だったり、遠目からズームパンチを置きにいったらビタで昇竜キャンセル真空波動を合わせられたりするような世界に、覚えたての波動拳だけで戦いに挑むようなものである。跳びを1回通すのも至難だろう。
(ちなみに、小足も日足もそれぞれこあし、ひあしと訓読みである。これもなにかの因縁か)

さて、本noteでは、実際に板に価格が書かれて並べられていた、幕末の堂島米相場以来の伝統である板取引というゲームシステムの根幹と、BFにおける板取引の傾向を示し、猛者との対戦を避けながら、成注文をする初心者をいかに狩るかを、実践と共に解説している。

ただ、これを初心者ゲーマーがすぐに実践できるかと言うとそうでもない。板を見ながら最速で最適な指値を注文する反射神経、反確のチャンスにどのコンボを選択しどこまでのリスクを背負いどれだけのリターンを伸ばしに行くかの判断力が必要であり、これは対戦数を経て経験として積み重ねていくしかない。

また、この戦い方が広く公開され、高評価を得ているということは、この手法を行う初心者を狩る動きが新たに出てくることを予想して戦わなければいけない。

いわば、斬空波動の着地硬直のとり方が公開されたようなものである。喜々として相手の垂直ジャンプに前ステしたら、今度はJ中Kからのフルコンボが待っているだろう。そのままピヨらされてからのドヤ顔瞬獄殺を叩き込まれるのは、重度養分諸兄周知のとおりである。

初心者養分は、この無料パートだけでも十分に価値ある情報が得られるだろう。ただ、何度も言うがこれは調べれば誰でも手に入る情報である。だが、勝つためにそれを徹底的に調べ上げる執念があるかどうか、それがプロゲーマーと重度脳死ゲーマーの違いなのだろう。

平等に与えられた情報を徹底的に調べ上げ、そこから導き出される期待値の高い行動を、確実なコマンド入力で着実にダメージを重ねていく手法は、プロ格闘ゲーマーである氏の面目躍如と言えるだろう。

初心者はこのnoteにより、フレーム表という知識を手に入れた段階だ。
次は、この知識を活かすテクニックを磨かなければいけない。
まずは、小ロットで退場を避けながら、初心者から猛者まで幅広く対戦を重ね、テクニックを身に着けて経験を重ねなければいけない。
LPが5桁を超えるまでは、負けたときのダメージをいかに少なくするかを考えて行動すべきだろう。だが、おそらく殆どのプレイヤーが、その土俵に立つ前に消えていくのだろうが。

有料パートには、氏の経験から得られた、注文が殺到しガー不状態の時のお金の拾い方が書かれている。基本的には無料パートで書かれていることと同じなのだが、このゲームにおける通信対戦の遅延時に、どう行動すべきかが示されている。遅延のせいで負けた人がいれば、その分遅延のおかげで勝った人がいるわけだから。

また、SFDというこのゲームの特殊システムについても独自の研究と考察がされており、システムの穴を使った心理戦に勝つ手法が公開されている。
SFDというシステムの小さなバグと発生時の大衆の心理をついた、見事なテクニックである。
このテクニックの検証は、動画をコマ送りして計算するという、フレーム単位で戦う格闘ゲーマーらしい執念とも呼べる方法で行っており、全く頭が下がるばかりである。

最後に、氏の実践対戦動画が公表されている。養分の自分が無料パートを読んで想像していたものとまったく違うもので驚いた。氏は、わかりやすくするためにゆっくり操作していると書いているが、養分である自分から見ればすごい速さで操作しているように見える。

この手法を真似するかどうかは別として、10分の動画の中で氏の行動の意図が理解できるようになり、このような手法で戦うゲーマーがいるということがわかるだけでも、2000円の価値はあると言えよう。
この手法を2000円で公開する氏の意図は?と逆に勘ぐってしまうほどである。

これら内容に加え、有料パート冒頭に書かれている氏の男気に敬意を評し、はじめての★5をつけさせていただいた。

無料パートの質とボリューム、そして有料パートの小テクニックと動画、2000円という価格と、まさに申し分ない内容であり、購入して損のない良書である。
格闘ゲームファンなら、プロゲーマーがどのような思考でゲームに向き合っているかがわかる、二度美味しい内容になっている。

ただし、氏の手法は秒単位で注文を並べていく、秒速スキャルピングである。相当な修練と集中力とセンスが求められ、真似できるのは努力に加えセンスを兼ね揃えた、ほんの一部の選ばれた人間であるを付け加えておく。

ちなみに、氏が使用しているケンというキャラの特長は、言うまでもなく必殺技である昇竜拳である。

BTCの暴落の先に、火を噴く復活の昇龍裂破ぶっぱを期待したい。


私の書いたnoteです。良かったら読んでください。


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