【仮想通貨noteレビュー】クリプトターフビーチ

著者:ahitostones
100円
★★★☆☆

ギスギスした界隈に、ほっと一息つける仮想通貨版「芝浜」を書いた、創作SS。
ターフとは芝、ビーチとは浜のことである。

芝浜とは、有名な落語の噺で、財布を拾った男と女房の、拾った財布にまつわる、心温まる人情噺である。

「酒はよそう。また夢になるといけねぇ。」

このnoteを読んで、落語は人間の業を題材にしていると言われるだけあって、金や資産について示唆に富んだ噺がとても多いことに気がついた。
いくつか例を挙げると、

高津の富

ジリ貧の養分が、なけなしの最後の一分銀を草コインに賭け、一発逆転を狙う的な噺。

「高津の富が、当たったんじゃ!」

夢金

お金の話かと思いきや、下ネタで夢オチという最悪のパターン。

「50両の紙包みがふたつだ。こっちが50、こっちも50。合わせて100両……」

持参金

借金の棒引きを条件に、いわくつきの株を友人から無理やり掴まされるも、そんなに外れ案件ではなかった的な噺。

「金は天下の回りものや」

壺算

口八丁手八丁で、なんとか養分に安く株を売らせようとする詐欺師的なお噺。

「軒並みが同商売でございます、あんさん方のこってございます、朝商いでございますので、どーんとお安う願いまして」

愛宕山


大金持ちが崖から投げるインゴットを、命をかけてまで拾いに行く養分と、それを見て楽しむ大金持ちの図

「人間なんてものはもったいないこと無駄なことをしたいがために普段一生懸命稼いでるんだ。お前に遊びがわかってたまるか!」

貧乏神

FXで一文無しになり、何度も人から金を借りてそれも失い、とうとう貧乏神ぽんぽんさんに取り付かれるも、ぽんぽんさんにすらポンポンコインをせびり、いよいよ愛想をつかされるKitaくんのような噺。

「お前誰や!」
「お前に取り付いた貧乏神や」
「・・・20銭貸してくれる?」

はてなの茶碗(茶金)

300satで買った草コインが、KAXMAXの推しにより、0.3BTCで売れることに!さらにBinanceに上場し、BFに上場し、最後には北尾会長砲により10BTCの値がついた。物の価値とは?を考えさせられる噺。

「朕、見たい」(爆上げ)

千両みかん

つい半年前まで1satだった$PACが、半年かけて99.99%バーンされたおかげで、1枚8000万円に!的な噺

「金持ちっちゅうんは勝手なものや。こんなミカン一つに千両か。」

紺屋高尾

金よりも情をとった、キャバ嬢の噺。ファンタジーですね。

「ここに来るのに三年、必死になってお金を貯めました。今度といったらまた三年後。その間に、あなたが身請けでもされたら二度と会うことができません。ですから、これが今生の別れです…」

鰻の幇間

うまくおだてて嵌め込んでやろう思ったら、いつの間にか自分が詐欺られていた、三流詐欺師のお噺。

「あれは兜町かなんかの旦那だよ。金無垢の鎖が見える。」

三方一両損

金よりも信念のほうが大切な3人のお噺。まさにおとぎ話である。

「もとは俺の金かもしれんが、いったん懐から飛び出したんだ、褒美にくれてやるから帰りに一杯やれよ」


界隈に疲れたら、お金がらみの噺を聞いて、一服するのもいいかもしれない。
著者には、新作を期待したい。

ところで、エリオットでお馴染みの「BTCこわい」氏の名前の由来も、落語から来ているのではないかと思っている。

元ネタはもちろん、「まんじゅうこわい」。

まんじゅうがこわいと偽って、仲間からまんじゅうを投げつけられてご満悦な男の話なのだが、BTCこわい氏も、同じように毎日養分たちからBTCを投げつけられているのだから笑えない。

「ほしたらお前さんがほんまにこわいもんはなんなんや!」

「今度はドル円とユーロ円がこわい」

おあとがよろしいようで。


※ちなみに、有料部分は読んでいません。



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