『学校ハラスメント 暴力・セクハラ・部活動─なぜ教育は「行き過ぎる」か 』

以前、愛知に研修講師として伺った際に、ご献本のために内田良先生の研究室にご訪問したら、逆に内田先生の最新刊『学校ハラスメント 暴力・セクハラ・部活動─なぜ教育は「行き過ぎる」か 』ご献本いただいてしまいました。
別の内田先生のご著書の『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』を拝読させていただいた際も思いましたが、誰かを批判するのではない、データに基づく冷静な分析は本当に素晴らしいですね。あとこの本の中でされている「ある立場が一方的に悪ではない」「各自が感じている苦しみ」に耳を傾けるべき(175頁)、とのご指摘は、本当に共感します。この指摘は部活動の問題の中でのご指摘ですが、実は、部活動に限らず、内田先生の教育問題の分析の根底にある視点のように感じます。

教育分野では、何かと保護者か学校のどちらかが悪、との前提での議論がされがちですが、辛い思いをしている保護者もいるし、逆に、辛い思いをしている教員がいるのが現実です。自分のスタンスとしては、子どもにとって良い環境を実現するためには、保護者のサポートも必要だし、学校のサポートも必要だと思っており、「被害者側」でも「学校側」でもないと思っているので、特に共感しました。

今後も、教育問題について、感覚的な議論ではなく、内田先生のようにしっかりと数字(エビデンス)を使った議論をしていきたいと思います。

今年ももう終わりですね。色々と大変学びの多い1年間でした。自分もついに書籍『実践事例からみる スクールロイヤーの実務』を発刊いたしましたので、スクールロイヤー等に興味がある方はぜひ。

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