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【書籍】挑戦と成長の文化: 鍵山秀三郎の哲学を組織に生かす

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp106「3月17日:最大の危機は、低過ぎる目標を達成すること(鍵山秀三郎)」を取り上げたいと思います。

 鍵山秀三郎氏は、人生や仕事での問題に対する考え方について、その対処の仕方が重要だと説いています。問題が生じたこと自体は問題ではなく、問題にどう対応するかが大切であり、問題が人生を破滅させるわけではないと述べています。失敗を恐れずに学び、次の成功へのエネルギーに変えることの大切さを強調しています。また、ミケランジェロの言葉を引用し、「最大の危機は、低過ぎる目標を達成すること」であり、高い目標を設定し挑戦することの重要性を説いています。困難に直面した際は、それを乗り越えることだけが解決策ではなく、困難を回避する方法を見つけることも一つの策であると述べています。

ミケランジェロは、「最大の危機は、目標が高過ぎて達成できないことではない。目標が低過ぎて、その低い目標を達成してしまうことだ」と述べています。

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)p106より引用

また、ベンジャミン・ディズレーリの言葉を引用し、逆境から学ぶことの価値を説きつつ、日頃から多くのことを学び、それを自分のものにすることが重要であるとしています。

イギリスの首相を務めたベンジャミン・ディズレーリは、「いかなる教育も、逆境から学べるものには敵わない」と言っています。

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)p106より引用


<人事としてどう考えるか>
 鍵山秀三郎氏の言葉は、私が長年人事分野で経験してきたことと深く共鳴します。人事の役割は、組織内の個々のメンバーが高い目標に挑戦し、時には失敗から学び、成長するプロセスをサポートすることにあります。言われているように、「最大の危機は、低過ぎる目標を達成すること」です。これは、組織や個人のポテンシャルを十分に発揮できず、成長の機会を失ってしまうことを意味します。

 この考えを実現するための様々な業務を通じて具体化されています。例えば、タレントマネジメントやパフォーマンスマネジメントを通じて、従業員の能力と成長を最大限に引き出し、個々が直面する逆境や挑戦から学び、進化することを促しています。

 逆境と学びに関するディズレーリの言葉もまた、私たち人事が直面する日常的な課題と密接に関連しています。私たちは、従業員が逆境に遭遇したとき、それを乗り越えるためのサポートを提供する必要があります。これは、研修、適切な人材配置やキャリア開発支援を通じても行われます。また、組織内での効果的なコミュニケーションを促進し、各種サーベイやデータ分析を通じて、逆境に対処するための洞察を提供し、その結果を基に施策を立案します。

 このプロセスは、鍵山氏が言及しているように、日々の学びと準備が重要です。人事としての私たちの役割は、従業員が様々な状況で学び、成長し、逆境を乗り越えられるように、日々の学びの機会を提供し、その学びを組織の血肉とすることです。これは、教育プログラムの設計、メンタリングやコーチングの提供、そして組織文化の醸成を通じて実現されます。

 最終的に、私たち人事が目指すのは、個々の従業員が自らの限界を超えて成長し、それによって組織全体が革新的で競争力のあるものとなることです。この目標に向かって、人事は絶えず進化し、新たな挑戦に対処する方法を学び続ける必要があります。鍵山氏の言葉は、この旅の中で私たちが直面する困難や逆境を乗り越え、成長するための指針となり得ます。

鍵山秀三郎氏の教えの本質を捉えており、プロフェッショナルな人生において、高い目標を設定し、挑戦から学ぶ重要性を強調しています。広大な風景とそびえ立つ山々は、目指すべき高い目標を象徴しており、HRのプロフェッショナルと従業員を表す人々が、学び、指導、サポートを意味する道具を持って旅の準備をしています。途中には、さまざまな障害物があり、避けられない挑戦と逆境を表しています。柔らかい画風で表現されたこのイラストは、継続的な学びと逆境を乗り越え、キャリアと個人の成長において高い成果を目指す比喩的な旅を適切に描写しています。


1日1話、読めば思わず目頭が熱くなる感動ストーリーが、365篇収録されています。仕事にはもちろんですが、人生にもいろいろな気づきを与えてくれます。素晴らしい書籍です。



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