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【書籍】チャレンジをチャンスに変えるー 大谷由里子プロデューサーの人材育成哲学

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp137「4月16日:横山やすしさんから学んだこと(大谷由里子 プロデューサー)」を取り上げたいと思います。

 大谷氏は、「大谷由里子のリーダーズカレッジ」を通じて、企画力、交渉力、プレゼンテーション能力などを身につける人材を育成しています。彼女は以前、吉本興業でマネージャーとして働いており、コーチングの手法を使って芸人の能力を引き出していました。特に横山やすしさんなどの大物芸人を担当し、彼らのわがままや突然のトラブルに対処することで、無理難題を「試されごと」と捉える重要性を学んでいます。彼女は「なんでそんなことを言われなければならないのか」という考えを「どうやって解決するか」に変えることの大切さを強調しており、この考え方が現在の彼女の成功に役立っていると語っています。

人事としてどう応用するか

 横山さんから学んだことについての大谷氏の言葉は、人事の専門家として深く共感し、多くの教訓を引き出せる内容であると感じます。人事領域における様々な業務を経験してきた私にとっても、彼女の経験は、特にリーダーシップ、コーチング、人材育成、問題解決のスキルを磨く上で非常に価値のあるものです。

コーチングと人事業務の類似点

 大谷氏が吉本興業でのマネージャー経験を通じて学んだコーチングのアプローチは、人事領域においても極めて重要です。人事管理においては、従業員が自らの可能性を最大限に発揮できるようサポートすることが求められます。これは、直接的に指導する「Teach」ではなく、従業員自身が自分の内側にある答えを見つけられるよう導くコーチングのアプローチに通じるものです。例えば、キャリアの道筋を描く際に、従業員が何を望んでいるのか、どのようにその目標に向かっていくのかを一緒に考え、サポートすることが重要です。

問題解決とポジティブな思考の重要性

 横山さんとのエピソードから学ぶ「無理難題を試練と捉える」姿勢は、人事業務においても極めて重要です。人事担当者は日々、従業員や経営層からの様々な要求や問題に直面します。これらの問題を単なる困難と捉えるのではなく、解決のための「試練」として捉え、解決策を積極的に探求することが求められます。結果としてこのプロセスが、従業員のエンゲージメントを高め、組織のパフォーマンス向上に直接的に貢献します。

人材育成における自己実現の促進

 「大谷由里子のリーダーズカレッジ」での取り組みは、企業における人材育成のモデルとしても参考になります。個々の従業員が自分のアイデアを形にできる能力を育てることは、イノベーションの創出や組織の競争力強化に不可欠です。人事としては、従業員が自分の能力を最大限に発揮し、自らのキャリアを自律的に形成できるような環境を整えることが重要です。これには、適切なトレーニングプログラムの提供、キャリア開発のサポート、そして何よりも従業員の自己実現を促進する文化の醸成が含まれます。

まとめ

 大谷氏が横山さんから学んだ教訓は、人事の専門家にとっても多くの示唆を与えます。コーチングのアプローチを取り入れること、問題解決に対するポジティブな姿勢を持つこと、そして従業員の自己実現を支援することは、人事業務を通じて組織の成長と従業員の満足度向上に貢献します。これらの原則を実践することで、人事は組織における重要な役割を果たし、持続可能な成長を支援することができるでしょう。


1日1話、読めば思わず目頭が熱くなる感動ストーリーが、365篇収録されています。仕事にはもちろんですが、人生にもいろいろな気づきを与えてくれます。素晴らしい書籍です。




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