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【書籍】「天とつながる」経営ー竹田和平氏による革新と成長の秘訣

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp170「5月17日:どういう会社が奇跡を起こすのか(竹田和平さん)」を取り上げたいと思います。

 竹田氏は、社長という仕事の孤独さと、それを克服する方法について語っています。彼は、自分を認めてくれる人がいない状況で、必要な情報とリソースが集まることの重要性を強調しています。彼の投資戦略は、5年後の株価、利益、配当の三倍増を目指し、その可能性を探ることに基づいています。成功の鍵は、最小のリスクで最大の効果を得ることだと言います。

 竹田氏は、現実が小説よりも奇妙な出来事であることを示し、自身の投資で株価が5年で10倍になった経験を話題にしています。奇跡を起こす会社は、世の中を幸せにするという正しい目的を持ち、わくわくして、楽しみながら、一所懸命取り組んでいる会社です。事業を始めて上場すること自体がすでに奇跡であり、そういった会社は多くの競争を勝ち抜いています。

 しかし、竹田氏は、管理や評価、報告書の要求などによって、その奇跡は失われると警告します。奇跡は「天とつながる」ことから生まれ、「人間とつながる」と消えてしまうと彼は語ります。また、お金を否定する人は金持ちになれないと述べ、お金にも意思があると考えるべきだと提案しています。彼の哲学は、肯定的な態度と、目的、情熱、リスク管理のバランスが成功の鍵であるという考えに基づいているのでしょう。

<人事の立場から考えること>

 竹田氏の言葉には、経営者としての深い洞察と人間性が垣間見えます。社長の仕事が孤独であること、自らを信じ、ビジョンに向かって突き進む勇気と決断力、そして組織やお金との関わり方について、非常に興味深い視点が提示されています。

 この言葉から、人事の立場から考えてみます。組織が奇跡を起こすための要素をいくつか考えることができます。まず、「わくわく、楽しく、一所懸命」に仕事に取り組む文化の重要性です。これは、従業員が自分の仕事に情熱を持ち、完全に没頭できるような環境を作ることを意味します。人事としては、従業員のモチベーションを高め、エンゲージメントを向上させるための制度やプログラムを設計することが重要です。

では、奇跡を起こせるのはどういう会社かというと、これは常識ではないんです。世の中を幸せにしようという正しい目的があって、わくわく、楽しく、一所懸命やっていれば奇跡は起こるんです。

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)p170

 次に、竹田氏は管理によって奇跡が消えると指摘しています。これは、過度な管理や評価が創造性や自由な発想を阻害し、結果的に組織の革新性や成長を妨げることがあるという警告です。人事部門としては、パフォーマンスの評価や報告の要求が創造的な思考や自主性を損なわないように、バランスを取ることが求められます。また、フィードバックや評価プロセスを通じて、個々の従業員が自身の成長と組織の目標に向かって前進できるように支援することが重要です。

ところが、その奇跡は管理するとなくなるんですね。個人の評価がどうだとか、報告書や領収書を出せとかなんとかばかり言っていると奇跡は消えるんです。天とつながるから奇跡は起こるわけで、人間とつながったら消えてしまう。

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)p170

 さらに、お金に対する健全な関係性の構築も重要です。「お金にも意思がある」という考え方は、資源を大切にし、賢明に投資することの重要性を示唆しています。人事部門としては、報酬マネジメントや福利厚生の設計において、これらの資源が従業員の満足度と、会社の成長の両方を支えるように効率的に配分されるように注意を払う必要があります。

 さらに、竹田氏が言及している「天とつながる」という概念は、企業のビジョンや使命と個人の価値観が一致することの重要性を物語っています。人事としては、会社のビジョンと文化を明確にし、従業員がその一部となることに誇りを持てるような環境を作ることが求められます。また、従業員が自分の役割を理解し、それが組織全体の目標にどのように貢献しているのかを認識できるようにすることも重要です。

 竹田氏の考えを人事の仕事に活かすことで、組織内での「奇跡」を促進し、持続可能な成長と発展を目指すことができるでしょう。これは、従業員一人ひとりが自分の仕事に価値を見出し、組織全体としても高いパフォーマンスを発揮するために必要な、人事としての戦略的かつ洞察に富んだ、興味深いアプローチです。

ビジネスと投資に対する竹田氏の洞察が表現されています。孤独な経営者の姿が前面に描かれ、その背後には成長を示す株価チャートやビジネスにおける革新的なアイデアや奇跡を象徴する電球など、彼の投資戦略を表すイメージのコラージュが広がっています。リスク管理を象徴する盾や天秤が繊細に組み込まれており、全体的に思索的で戦略的な雰囲気を反映した、柔らかく優しい色彩とテクスチャで描かれています。



1日1話、読めば思わず目頭が熱くなる感動ストーリーが、365篇収録されています。仕事にはもちろんですが、人生にもいろいろな気づきを与えてくれます。素晴らしい書籍です。




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