マガジンのカバー画像

人間学の学び(『致知』および「木鶏クラブ」等)

65
雑誌『致知』の読後感、木鶏(読書会)クラブ、関連書籍についてまとめています。
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

【書籍】自律と主体性ー陳建一氏の料理哲学から学ぶ

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp149「4月28日:マニュアルの先にあるものを読む(陳建一 四川飯店オーナーシェフ)」を取り上げたいと思います。  陳シェフの管理スタイルは、指示を待つのではなく、自発的に行動を起こせるスタッフが成長するという信念に基づいています。彼は料理を提供することを最終目的とし、それに向けてスタッフが自主的に動ける能力を非常に重視しています。自分から何をすべきかを理解し、迅速に対応できるスタッフは、

【書籍】夢を形にする言葉の力ー国分秀男氏の指導哲学

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp146「4月25日:言葉は意識を変え、意識は行動を変える (国分秀男 東北福祉大学特任教授・元古川商業高等学校女子バレーボール部監督)」を取り上げたいと思います。  国分秀男氏は、京浜女子商業での勤務を経て、古川商業高等学校女子バレーボール部の監督として転職しました。そのキャリアで学んだ重要な教訓を話しています。最初に、彼は一流の監督たちから学び、特に宮本武蔵の読書を通じて、全てを投げうっ

【書籍】経営の現場力ー佐久間曻二氏による実践と学び

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp143「4月22日:君はそれ、自分で確かめたんか?(佐久間曻二 さん、WOWOW相談役)」を取り上げたいと思います。  佐久間曻二氏が松下幸之助氏の指示で、あるミシン会社の貸借対照表を調査したエピソードを語っています。調査の結果、ミシン会社が予約販売制度を採用していたことが明らかになりました。佐久間氏がこの制度について報告した際、松下氏は「自分で確かめたか」と問い、実際に現場を見て自分の目

【書籍】人事として学ぶ安井義博氏の教訓ーブラザー工業における持続可能な成長戦略

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp110「3月21日:仕事は自らつくり出していくもの(安井義博、ブラザー工業会長)」を取り上げたいと思います。  安井義博氏は、ブラザー工業の現在について、自らの経験と価値観を基に形作ったとしています。40年前、日本の高度成長期には、生産技術部は存在していたものの、ブラザー工業には研究開発部や技術部がなく、開発管理が不十分でした。安井氏は「いちゃもん会」というグループを通じて、会社の問題点や

【書籍】チャレンジをチャンスに変えるー 大谷由里子プロデューサーの人材育成哲学

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp137「4月16日:横山やすしさんから学んだこと(大谷由里子 プロデューサー)」を取り上げたいと思います。  大谷氏は、「大谷由里子のリーダーズカレッジ」を通じて、企画力、交渉力、プレゼンテーション能力などを身につける人材を育成しています。彼女は以前、吉本興業でマネージャーとして働いており、コーチングの手法を使って芸人の能力を引き出していました。特に横山やすしさんなどの大物芸人を担当し、彼

【書籍】柏木哲夫氏の人生観ー使命に生き、懸命に働き、宿命を受け入れる

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp131「4月10日:使命、懸命、宿命(柏木哲夫 金城学院大学学長)」を取り上げたいと思います。  柏木氏は、自身の人生を導く三つの言葉「使命」「懸命」「宿命」について語っています。  使命に関しては、作家三浦綾子氏の言葉から影響を受け、自分の命を使うこと、つまり自分に課せられた使命を全うすることの重要性を説きます。三浦氏は小説を書くことを自分の使命と捉え、病に苦しみながらもそれを続けるこ

【書籍】一本のロウソクのようにー森信三と田中繁男の教育哲学

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社、2020年)のp128「4月7日:それで、あなたは何をしましたか(田中繁男さん 実践人の家副理事長)」を取り上げたいと思います。  田中繁男氏が教育現場で直面した挑戦と、その対応について語っています。学校は生徒の不良行為に悩まされていましたが、田中氏は生徒たちを理解し、彼らの心に寄り添うことで状況を改善しました。森信三先生は、田中氏の取り組みを現代の宗教と称賛し、教育の現場における行動の重要性を強調しまし

【書籍】「コツコツカツコツ」を生きる: 新将命氏の成功哲学と人事戦略への応用

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp125「4月4日:コツコツカツコツ(新将命 国際ビジネスブレイン社長)」を取り上げたいと思います。  新氏は、若い世代に「一日四回食を食べること」を勧めています。これには朝昼晩の食事と、読書という形での「活字の飯」を含みます。新氏は30代から毎日最低一時間は読書をしており、これが人生を豊かにすると信じています。  また、彼は短期と長期の目標を設定し、それを追い続けることの重要性を強調して

【書籍】『致知』2024年5月号(特集「倦まず弛まず」)読後感

致知2024年5月号(特集「倦まず弛まず(うまずたゆまず)」)における自身の読後感を紹介します。なお、すべてを網羅するものでなく、今後の読み返し状況によって、追記・変更する可能性があります。 「倦まず弛まず」とは? 「倦まず弛まず」とは、「疲れることなく、怠けることなく、常に一生懸命に努力し続ける」という意味です。この言葉は、目標達成や成功を目指す際に、粘り強く努力を続けることの大切さを表現しています。また、挑戦する中で生じる困難や障害に対しても、めげずに前進し続ける姿勢

【書籍】USJの躍進と森岡毅の信念ー顧客エンゲージメントと従業員モチベーションの向上

『一生学べる仕事力大全』(致知出版社、2023年)のp364「地球上で最も必死に考えている人のところにアイデアの神様は降りてくる(森岡毅さん)」を取り上げたいと思います。  ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の集客数を劇的に増加させた森岡毅氏の改革とその背後にある哲学に焦点を当てています。森岡氏の主な目標は、お客様一人ひとりに最高の満足を提供し、彼らの笑顔を増やすことでした。彼のビジョンは、お客様に忘れられない体験を提供することにより、USJを訪れるすべての人々を幸