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英和大辞典と和英大辞典

私の思い出に残る英語の先生といえば,

ニイノベ先生だ。

大学退官後,ニイノベ塾という個人塾にて近所の子どもに英語を教えていた。月謝は驚くほど安かった。
小学校を卒業したある日、親が,暗記が苦手な私のことを心配し,言った。
親「近所の英語塾に行きなさい」
私「…はい」
話は即決だった。
「はい」と答えた理由があった。
塾の方針として,NHK ラジオ『基礎英語』等を聴く事が義務づけられ、下校が遅くなってもカセットに録って繰り返し聴くよう求められる。


「これは…ラジカセを買ってもらえるかも!」
作戦通りラジカセをゲットし,中 1~高 3 までの 6 年間,お世話になった。


“きっかけ”は不純だったが,毎日英語を耳にしたおかげと,発音記号を重視した先生の方針のおかげで,リスニングやスピーキングのテストは得意だった。


月日は流れ、新述塾での最後の授業の後,先生は 2 冊の大辞典を贈って下さった。


「英和大辞典」と「和英大辞典」。


そのサイズ感は辞書というよりも、“重たい箱”で、辞書を引くたびに筋肉痛になりそうだ。


しかも英和と和英の 2 冊。


我が家の本箱でかなりの重量感を放っている。
先生は,どんな方向に進学する塾生にも,この 2 冊をセットで卒業記念に贈っていた。


そこに込められた思いを想像すると…


「これからは,ますます英語が重要な時代になる。だから,どんな道に進もうと,英語を身近に持っていてほしい」だ。
多分間違っていないと思う。

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