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他人の猫背を指摘するという大罪

患者さんと話していると
「家族から猫背と言われて出来るだけ意識して伸ばしています」
という事を時々お聞きします。
猫背ということを伝えている人は善意しかないと思うのですが、個人的にはこの言葉は使わないで欲しいです。
何故なら言われた人のコンプレックスを1つ増やすだけの言葉だからです。

猫背と言われている人は、猫背が標準状態です。
ですので他人から言われて、その場で無理して背筋をピンっと伸ばしても
別の事に意識をもっていった瞬間戻ります。

じゃあ、どないすればいいんじゃい!
と思うでしょうが、他人(家族・友人・恋人含む)が出来る選択肢は2つです。
1つは、傍観です。
気づいてはいる、でも何も言わない、触れない、あるべきを受け入れる。

もう1つは、猫背の人がどうにかしたいと心の底からあなたを頼ってきた場合。
そして、あなたもその人の猫背をどうにかしたいと心の底から思っている場合のみ、現れる選択肢があります。
それが一緒に猫背を改善する旅に出る事です。

旅といっても実際にどこかに行くわけではなく、一緒に猫背にきくと言われている運動を毎日したり、一緒に猫背の知識を集めたり、一緒に治療院に通ったりすることです。

もし、あなたが
「私は猫背じゃないからわざわざそんなことしたくない」
と思われるなら傍観一択です。
アドバイスではなく一緒に行動を毎日行う覚悟がないならば余計な事は言わない方が𠮷です。

そもそも、猫背の人は自分が猫背な事なんて知っています。
わざわざ他人から言われなくても、知っとるわい!と思っています。
猫背の人が猫背をどうにかしたいなら本人が動くしかないのです。
無責任な一言をもらって喜ぶ人なんていません。

最後に、猫背と言われていた人がおっしゃられたことを書いて締めます。
「実際に動かしてみて初めて固まっている事が分かりました」
胸椎の動きが硬い人でしたので、毎日30秒くらいの胸椎を動かす運動を
するようにお願いしました。
頭で猫背と分かっていてもどうにもなりませんが、固まっていることを実感し、毎日動かしていると変化が起きます。

大事な事は本人が体感することです。
だったら周りの人が
「こういう運動が良いらしいよ」
って言えば良いじゃん、って思われるかもしれません。
そういう適当な知識は必要ないのです。
猫背の人の状態を理解して、理解する為に一緒に行動を毎日出来ると言うならば言っても良いと思います。
「こういう運動が良いらしいから毎日一緒にやってみよう」
そして猫背の人も乗り気で一緒にやってみて体感した感想を言い合い、記録をつける事ができる人のみ出来るアドバイスです。

インターネットで少し読んだ、テレビでたまたま見た、1冊本を読んだ、
そういった知識を自分の為に使うのは良い事だと思います。
でも、それを他人に言うのはやめましょう。

ダラダラと同じことを書いてしまいました。
皆さん、良い1日をお過ごしください。





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