【映画100選 超ショートレビュー 第6回】無防備都市(1945)
ナチス占領下のローマを描く重厚な時代背景に反し、この映画の活劇性が軽快な速度を生み出し、後退移動するキャメラは連れ去られる婚約者を追いかけて死への跳躍に身を任せる女のアクションを疾走感と共にフィルムに躍動させる。
扉をノックする音が内戦を仕掛けるゲシュタポに抵抗する住人たちの緊張感を画面に漲らせ、その扉=開口部は原題名の"開かれたローマ"が暗示する現実の裂け目が露呈した暗い深淵となる!
1945年製作/106分/イタリア
監督:ロベルト・ロッセリーニ
原題:Roma, Citta, Aperta
日本初公開:1950年11月7日