「天涯の海」

車浮代先生の作品です。一気読みしました。ミツカン酢創業の、粕酢を作り上げた起業家、「中野(中埜)又兵衛」三代の物語です。米酢に変わって酒粕から作る安価で上質な酢がなければ、華屋与兵衛に代表される江戸前の寿司ができなかったと初めて知りました。

粕酢の工夫から始まり、江戸への販路の確保、水の確保、工場の確保と、さまざまな経営的な危機に直面しながら代々の伝統を守り、革新していく姿に感動しました。また、各代を支えた内助の功の奥様達の想いにも深く感じるものがありました。やはり、商売を成功させるにはパートナーが必須なのだとの想いを強くしました。

ミツカンさんの歴史には全く比較にもなりませんが、私も家業を継ぐものとして非常に共感いたしました。車先生は料理研究家でもあられるということで、お寿司を始めお料理の描写がお上手で思わずよだれを垂らしそうになりながら一気に読んでしまいました。

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