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東大と野球部と私 桑田真澄 を読んだ

◆はじめに

「東大と野球部と私」は、2016年に出版された本で、桑田さんが2013年〜14年に東大野球部のコーチをされていた時の話だ。時代背景は少し前になるが、そのようなことはほとんど感じられなかった。

それは、桑田さんが現役時代から固定観念を捨て、常識を疑うという未来思考を体現されているからなのではないか。数年前に出版されたこの本を読んでも古いと感じなかったのは、そのことが影響していると思っている。

◆東大野球部に対する想い

僕はこの歳になって、東大で野球をするということに、とても興味を感じている。そのきっかけの一つは、宮台康平投手(日ハム→ヤクルト)だ。

宮台投手は、神奈川県内でもトップクラスの進学校である湘南高校の出身だ。僕は、高校時代に湘南高校と練習試合をしたことがある。とても良いチームではあるが、強豪とまではいえないと感じた記憶がある。

強豪ではない高校で野球をしていた選手が、受験で東大に入学し、日本代表にも選ばれプロへ行く。信じられない想いと、きちんとプロセスを踏めば夢ではない話なのだとワクワクさせられた。

学生時代の僕は、東大野球部に対してまったく理解がなかった。なぜ強くもないのに六大学野球という全国最高峰のリーグに加盟しているのか、歴史的な背景だけで加盟しているのは古くさいと思っていた。

まして、在籍選手は頭脳優秀と思われるのに、なぜ東大に入ってまで野球を続けるのかと思っていた。本当に浅はかで、恥ずかしい話だ。お詫びしたい。

今は自分なりにその存在意義を理解しているし、むしろ東大野球部、在籍されている選手には野球の考え方を変えていって欲しいと願っている。

現在、東大野球部には、僕と同じ静岡高校野球部出身の奥田選手(3年)と梅林選手(2年)が在籍しており、彼らのおかげで勝手に親近感を感じている。
直接話をしたことはないので、いつか彼らのプロセスと今後のビジョンを聞いてみたいものだ。

◆僕のチームも東大に似ている??

僕がこの本を手に取った背景は、息子が所属している少年野球チームに、コーチとして関わらせてもらっていることだ。

僕のチームは試合に負けることが圧倒的に多い。日頃の練習を見ていると、子どもたちの能力は決して低いわけではなく、負けるようなチームではないと歯痒さを感じることが多い。

僕は、子どもたちの試合結果は気にしていない。でも、子どもたちが試合で力を発揮できず、勝負に負けてしまっていることは残念に思う。

当然、実力負けというか、対戦チームの選手が素晴らしいこともある。ついそういった選手に対して、怪我だけはしないでくれよと心の中で思ってしまう

なんだかうちのチームは、東大野球部に共通することがあるのではと、東大野球部には大変失礼なのだか、そんなことを感じていた。

子どもたちが試合で力を発揮できていないということは、裏を返せば、子どもたちに対する僕のアプローチに改善点があるのだと思う。

僕は、試合になかなか勝てない東大野球部がどのような取り組みをしていて、桑田さんがどのようなアプローチでチームと関わっていたのかが気になった。

◆おわりに

本を読み終えて、とても参考になった。桑田さんでも東大野球部を勝利に導くことはできなかった。これが事実だ。僕にとって、このことはとても興味深いことだ。

この本は、桑田さんが勝利出来なかったことをいい訳をせず、2年間のコーチ記録を追うことができる本だ。子どもたちと関わる野球監督やコーチにとって参考になる一冊だと思う。

◆東大と野球部と私より抜粋

戦争中でも野球を続けられるよう、練習量の重視・精神の鍛錬・絶対服従の価値観をあえて前面に押し出し、「野球は強い兵隊を養成するのに役立つスポーツだ」とアピールしたのです。

「誤解された野球道」は、戦争から野球を守るための〝苦肉の策〟だったというのが真相だったようです。

心の調和を保つためには、野球以外のことが非常に役に立つと僕は考えています。それは、「勉強」と「遊び」です。

ずるいことや卑怯なことをしてまで勝つことに価値はありません。

「まずは、『常識を疑う』ということ。
野球に関して、今まで聞いたこと、教わったこと、本で読んだことは、もう今の時代には合わなくなっている可能性もあります。

「腕を振ろう」と意識しているうちは、正しいフォームができていない

打撃でも走塁でも、野球では「最短」ではなく「最速」であることが大事

「最速降下曲線=サイクロイド曲線」

野球に必要な頭のよさ、勉強のための頭のよさ、人生のための頭のよさをバランスよく身につけることは本当に難しいことだと感じました。

自分自身のイメージと実際の動作とのギャップが少なかったことも大きく影響していた



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