目標達成と願いについて
七夕で短冊に願いを書いて思いを託したり、子供のころサンタクロースに欲しいものを願ったりしたことがあると思います。欲しいものを具体的にすると、そのものが届けられるという経験は誰にでもあるでしょう。
ビジネスや営業でも、具体的な目標やターゲットを設定した方がうまくいきます。なんとなく目標を持たずに運営するのと具体的な目標を持つのでは差は歴然としています。
目標を設定しているのに、達成しないとか、三日坊主になる、忘れてしまう、他の重要な目標が出てきたということがあり初期の目標が達成できないということもあります。
目標が達成しない理由は以下の3つに絞られるでしょう。
1、そもそもの目標設定が甘い
2、目標達成までのプロセスやKPIが明確でない
3、目標が達成したときのメリットと達成しなかったときのペインが無い
具体的にみていきましょう。
1、そもそもの目標設定が甘い
甘い目標設定というのは、
①単なる過去の延長線上目標設定
つまり何としても達成したい次のステージに行きたいということでなく目標を適当に立ててしまった。ありがちなのが昨年度の前年比何%という設定であったりなりゆきの目標。
②目標に具体性が無いということ
できたらいいなという緩い願望を目標にしてしまっている。例えばアメリカにオフィスを構えれたらいいなあという様な、夢なのか願望なのか目標なのか定まっていない目標。
③どうでもいい目標設定やズレている目標
中期的に達成したいという目標設定ではなく思いつきで立てたり、誰かに言われたりSNSでみて自分もやってみようという様な安易な目標設定。これは、三日坊主になりやすい目標設定です。
目標の達成は、長期的にどんな会社になりたいのか、どんな自分になりたいのかを具体的にします。最初に想いありきですので、その通りの姿になります。
目標設定の手段としては、他社のベンチマーク、先行している会社のいいところをモデリングします。あの様な会社になりたい、あの様な人物になりたいということも効果的です。
ライバルの存在も有効です。業界で1番になるということなど具体的な違いを明確にするのもわかりやすい目標設定ですし、途中経過もわかりやすいですね。
2、目標達成までのプロセスやKPIが明確でない
目標を立てたもののプロセスを具体化していないと途中で挫折しやすいです。それを実現する為には、まず細分化して途中で達成できているマイルストーンを立てること、また目標に必要なKPIを設定することが大切になります。
KPIとは(Key Performance Indicator)立てた目標の中間達成度を評価するための重要業績評価指標のことをいいます。
例えば、売上を1000万円とするなら、売上=客数✖️客単価ですから何人の客数を集客できたか。いくらで売れたかがKPIとなります。 目標に向かう場合、KPIを明確にしておくとKPI達成をしていれば自ずと目標に近づくことが可能です。ただ、KPIの数が多すぎると意識が分散するので3つまでにすることがコツです。
3、目標が達成したときのメリットと達成しなかったときのペイン(痛み)が無い
目標が達成したときにどんな世界が広がっているのか、どんな嬉しいことがあるのかが明確になっていないと原動力が湧きません。特に与えられた目標やただ何となく決めた目標は尚更です。途中のプロセスに困難があっても達成したときの「よっしゃーっ!!」という喜びを得られる目標とご褒美があると達成しやすくなります。
また、達成しなかったときのペイン(痛み)は何でしょうか。痛みを避けたいという気持ちも大きな原動力になります。もし仮に目標達成しなければ露頭に迷うという様なことがあれば火事場の馬鹿力が発揮されることがあります。
達成した時に達成感を味わえる、脳が喜ぶことを用意しておくと次の目標達成も用意になります。いわゆる「勝ち癖」をつけるということです。
ある組織でリーダーをしていた時も、チームが勝ち癖がつくと何をやってもうまく行くということが起こりました。小さい、ほんの小さい達成でもチームで全力で喜ぶ、実行した人を承認することの積み重ねが勝ち癖につながり大きな目標達成につながります。
目標設定の具体化について
目標が大きくても小さいKPIでも具体的にした方が達成はしやすくなります。それはNLP(神経言語プログラミングという心理学)でRASが大切であると習います。
RASとは網様体賦活系といい、気になったことが目に入ってくるということになります。
ベンツを買おうと思ったら、街中でベンツがやたら目につきます。特定のブランドが気になればそればかり目に入る様になるというものです。
どんな街中での雑音の中でもあるキーワードだけ聞き取れるという経験をされたこともあると思います。これがRAS機能と言われているものです。
この習性を活用して目標設定をより具体的にしますが、少し具体化する例を考えてみましょう。
セミナーで実験するとわかりやすい例があります。例えば参加者の方にこう尋ねます。
「みなさん、白いものを考えて、紙に書けるだけ書いてください。30秒で!」と書いてもらいます。
次に
「みなさん、冷蔵庫の中にある白い物を紙に書けるだけ書いてください。30秒で!」と書いてもらうのです。
そうすうると、前者より後者の方が書ける数も多くなりますし、具体的な内容が書けるのです。
これは、絞り込んで明確にした方が具体的に思い出せるというトレーニングですが、目標設定も同じです。具体的な目標やKPIが明確であればあるほど達成しやすいのです。
もし売上高○○万円という目標であるならば、KPIは具体的にイメージできるものにした方がいいでしょう。例えば、客数何人という数字になるだけでなく。お客様からのありがとうを毎日3人からもらおう。とか、お客様にメッセージを10人を出そうとかになります。
大企業でも目標設定を変えるということが目立ってきていますね。売上から顧客の利益に変えようということなどです。
例えばローソンはスーパーバイザーの売上目標を撤廃、加盟店の利益を評価基準に変えました。
ローソンは2月7日、加盟店経営の安定化に向けての新たな施策を発表した。2020年度の加盟店支援相当額として約400億円を用意、本部の数値目標を売上から「店利益」に変更する。
竹増貞信社長は同日、都内で開いた会見で、「2019年度は、お客様からのレコメンドNo.1を目指し、店利益にこだわるをKPI(グループの重要業績評価指標)としていた。ただ、店利益については数値目標がなかった。2020年度は店利益10%増を数値目標とした。これによって、加盟店の利益に本部がこだわり、より責任を持っていく」
流通ニュース 2020年2月7日
2020年の7月に ローソン「出店目標やめた」の記事が出ています。
この様にローソンでは売上につながる出店、加盟店の売上という目標を2020年に廃止しました。
その結果としてはコンビニ大手三社で二位だったローソンが平均売上高を三位のファミリーマートに譲るという結果となります。
ローソンの稼ぐ力が鈍化している。2021年2月期はコンビニエンスストアの1店舗当たり売上高(日販)がファミリーマートを下回った。
日本経済新聞 2021年6月23日
大きなニュースとなりましたが、売上という目標を取り下げたローソンにとっては全く意に返さないことでしょう。
目標をどう設定するかで結果が大きく変わる、差が出てるといういい事例となりました。
得たい結果を得るために具体的な目標やターゲットを設定を考えてみましょう。
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