4年の今日
4年前の今日、ぼくは被災者になった。
仕事が終わり1人自宅で夕飯を食べて一息ついた21時半頃、あれは突然やってきた。
築数十年の平家のボロ家がすごい音をたてて揺れだした。
ミシミシ、バキバキ
揺れは激しさを増しぼくはその場から動くことができなかった。
どれだけの時間揺れていたのだろう。経験したとのない大きな揺れに放心状態。
家は微かに歪む音をたてている。身体に感じない微弱な揺れをボロ家は受け続けていた。
おさまっては揺れ、おさまっては揺れる。
いっこうに終わることのない揺れ。
たまにくる強めな揺れ。
正直恐怖しかった。
ぼくはいつでも逃げられるように玄関近くに逃げ腰を落ち着かせた。
彼女からLINE。
「心配だからウチにおいで」
ありがたい!心細かったぼくは必要最低限の荷物でボロ家をあとにした。
彼女の家に向かう道中、赤信号で停車しているとドカンと強い揺れがきた。
車が上下左右に揺さぶられる。街頭に照らされた地面が波打つのがわかった。信号機も不規則な動きでうねっていた。
彼女の家に着くと部屋の中では彼女の家族が食い入るようにテレビを観ていた。
続く余震。
このまま夜中揺れ続けるのか。不安しかなかった。
余震で軋む家。不気味な唸りをあげる音を聞きながらぼくと彼女家族はリビングで眠りについた。いつでも逃げられるように窓の鍵はかけないまま。
眠りが深くなってきたころに余震で目を覚ます。何度も何度も同じことを繰り返す。
気がつけば朝日がリビングを照らしていた。
寝不足だ。
少しは余震がおさまっただろうか?昨夜ほどの頻度ではなくなっていた。
とりあえず大きな被害もみられなかったのでぼくは普通に仕事に向かった。
この夜、人生で1番の恐怖を味わうことになるなんて思ってもみなかった。
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