懐かしいローカルCM にわかせんぺい
福岡に永く住んでいれば、一度くらいは見たことがあるのが、東雲堂の『二○加煎餅』のCMです。私は福岡出身ではありませんが、子供の頃によく見たCMです。東雲は、”しののめ”ではなく”とううん”と読みます。また、”せんべい”ではなく”せんぺい”です。
CMでは、息子(ゼンジ)をお母さんが叱っています。
こら! ゼンジ! また喧嘩してきたっちゃろ。
母ちゃんが、よその人と会うたんびに、ほんとに恥ずかしい思いばっか、しようとよ!
はよ、ことわりば言うてきんしゃい。はよ。
たまに~は~喧嘩に 負~けてこ~い♪
ごめーん。
CMのほとんどがお母さんの小言(セリフ)です。太字の部分は、男性が歌う短い歌になっています。また、最後は息子のゼンジが、喧嘩した相手の所に”にわかせんぺい”を持って行って、謝っている時のセリフです。昔流行った海援隊(武田鉄矢さん)の『母に捧げるバラード』より古くからあるCMで、ひょっとすると武田さんの頭の片隅には、このCMがあったのかもしれません。
福岡市には、『博多仁和加』という伝統芸能があります。博多仁和加は、福岡市指定無形民俗文化財として、長い歴史と伝統を持ちます。つ郷土芸能です。博多にわかを演じる時には、「ぼてかずら(張りぼてのカツラ)」または「にわか面」と言われる赤い半面を着け、会話の最後に面白いオチをつけて話をまとめます。博多弁を使うのが条件で、題材としては様々ですが、世相を反映したり風刺したりするユーモアな即興話芸になります。
昔テレビで見たローカルニュースの中で、こんな博多仁和加がありました。
「うちの息子が塾に行きたいと言ってるんですが、いつから行かせたら良いでしょうか?」
「塾に行くなら急いだほうが良いですよ。明日行くより、今日行く(教育)のが良い」
意味が分かるように標準語で書きましたが、実際は博多弁です。
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