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数学の小ネタ#20 ローマ数字について

1,2,3・・・と私達が普段使っているのは、アラビア数字と言われる数字です。その他の数字としては漢数字やローマ数字などがあります。漢数字やローマ数字は、基本的には数字を構成する線(棒)の数が数字を表す基本概念になっています。漢数字なら「一,二,三」、ローマ数字なら「Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ」といった具合です。

このように棒の数を足していく数の数え方は、見た目にも分かりやすいし直感的です。このように”足し算”の概念は古くからあることがわかります。なお面白いことにローマ数字には、足し算だけではなく引き算の概念も含まれています。

ローマ数字では、ラテン文字の一部を用い、アラビア数字の 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 をそれぞれ I, II, III, IV, V, VI, VII, VIII, IX, X のように表記します。ここでI, V, X はそれぞれ 1, 5, 10 を表しますが、4はIV(=5-1)、9はIX(=10-1)のように表記します。このように小さい数を大きい数の左に書くことで、右の数字から左の数字を減ずることを意味します。このような表記方法を”減算則”というらしいです。

これらの数は減算則を使わずに4 をIIII、9をVIIIIと表現することも可能ですが、通常は減算則を用いて表記します。私が持っている時計の文字盤には、減算則を使わないローマ数字IIII(4)が使われています。これは、デザイン性を重視したためかもしれません。

10以上の数では、50, 100, 500, 1000 を L, C, D,M で表わします。これらの数を使えば、1から5000までの数なら表すことができます。もちろん、もっと大きい数も表現できるのでしょうが、文字数が多くなってしまいます。なお、大きな数を表わす減算則のローマ数字は、XL(40), XC(90), CD(400), CM(900)があります。

タイトル画は、ドイツの小説家トーマス・マン(Thomas Mann)のお墓のですが、彼の生年1875年と没年1955年が、MDCCCLXXV, MCMLVとローマ数字で 刻まれています。

ところで、10を表わすローマ数字Ⅹは、”エックス”ではないことを知っていますか?。この字は、5を表わすVと、それをひっくり返した文字Λを上下に足した字なのです。つまり、V(5)+Λ(5)=X(10)ということです。もちろん今ではその意味が薄れて、X単体で10を表わすことになっています。

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