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外部ノイズと自己ノイズ

現在開発中のMT法探査装置は、自然界の微小の電磁場変化を測定するので、高感度な電磁場センサを使う必要があります。高感度のセンサを使うと微小な信号が測定できますが、信号と共に電磁ノイズも拾います。

ノイズは様々な基準で分類できますが、その発生源が測定機器の内部なのか外部なのかによって、自己ノイズと外部ノイズに分類できます。外部ノイズは、電線などから発生する商用周波数のノイズとその高調波ノイズです。このノイズは簡単には分離できないので、測定機器のフィルタで処理したり、データ取得の後のデータ処理段階で処理します。

一方の自己ノイズは、測定機器内部で発生するノイズです。こちらのノイズが厄介です。本来、測定機器内部にノイズが発生してはいけません。しかし、様々な理由で測定機器内部でノイズが発生してしまいます。この自己ノイズは、理想的にはゼロにすべきですが、なかなかゼロには出来ません。大きな信号を測定する機器なら多少の自己ノイズは問題になりませんが、我々のプロジェクトで測定する信号は微小なものです。そのため、ノイズ発生にはデリケートになっています。

自己ノイズの発生源として最も疑わしいのは、測定機器を駆動するための電源です。電源が無いと測定機器は動きませんが、その電源自体が電磁ノイズの発生源になり得ます。機器の消費電流が僅かで、電源の電流が安定している場合は問題ありませんが、電源の電流が変動すると、それに応じた磁場が発生します。その磁場がノイズになるのです。

自己ノイズには、その他にも様々な原因が考えられます。ノイズ対策やノイズ処理は、微小信号の測定に対しては重要な技術になります。

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