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バークレーの思い出#26 Building 9

私がUCバークレーにいた時に主に通っていたのは、丘の上にあるLBNL(ローレンス・バークレー・ナショナル・ラボラトリー)でした。UCバークレーは大学ですが、アメリカ合衆国エネルギー省(DOE)の研究所を併設しています。LBNLでは、物理・化学・生命科学・コンピュータサイエンス・エネルギー工学・ナノテクノロジー・環境工学などの幅広い分野の研究が行なわれています。この研究所では、UCバークレーからも多くの大学院生・大学生を受け入れています。

私のデスク(仮)があったのは、Building 9と呼ばれる建物です。この建物は、ゲートから最も近い場所にありました。この建物に入っている研究者は、主にエネルギー関連の研究をしていましたが、メインのフロアには『テクノロギー・トランスファー(Technology Transfer)』と呼ばれる、技術移転や研究相談などの窓口がありました。私は同じフロアのパーティションで仕切られた狭小空間を使わせてもらいました。

Building 9で個室を持っていたのは、上席の研究者だけで、多くの人はパーティションで区切られた区画が居室になっていました。なので、私も当然パーティション組でした。この区画で勉強していると、電話の音で思考を中断されることがしばしばありました。電話がかかってくると、「This is Technology Transfer, ・・・」というお決まりの台詞が聞えてきました。

このフロアにいて文化の違いを感じたのは、クシャミの時でした。誰かがクシャミをすると、必ず他の誰か(複数の場合も)が「Bless you.」と声をかけます。この“bless you (ブレシュー)”は、”お大事に”の意味ですが、元々はクシャミをすると魂が抜けるという迷信があり、”神のご加護”でその人を守るオマジナイが起源です。

現在のBuilding 9が気になって調べてみたら、地図に載っていませんでした。どうやら、老朽化のために壊されたようです。少し寂しい気持ちになりました。

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