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数学の小ネタ#17 高度合成数

数学では角度を弧度法でラジアン単位で表わすことがありますが、一般的には一回り360度を使います。なぜ一周が360度なのかというと、360は約数の数が大きいからです。約数の数が多いと、ケーキの様な円形のものを等分する場合に都合がよいからです。360の約数は「1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10, 12, 15, 18, 20, 24, 30, 36, 40, 45, 60, 72, 90, 120, 180, 360」の24個です。

ところで「自分より小さいどの数よりも約数の個数が多い数」を『高度合成数』と呼びます。例えば6に着目してみると、6未満の数である「1, 2, 3, 4, 5」の約数の個数は、それぞれ「1個、2個、2個、3個、2個」となります。そして、6の約数の個数は4個ですから、6の約数の個数は、自分より小さい1~5の約数の個数よりも多いことがわかります。つまり、6は高度合成数になります。

高度合成数小さい順に列挙すると、1, 2, 4, 6, 12, 24, 36, 48, 60, 120, 180, 
240, 360, 720 となります。これらの高度合成数をよく見ると、1年の月の数である12や、時間の分割に使われる24や60が含まれていることがわかります。360は12, 24, 60という約数を持つことも、1周を360度と決めた時の理由の一つかもしれません。

なお720の約数は30個なので、円の中心角を720度に設定していたら、もっと細かい等分ができます。しかし、目盛りの間隔が密になり過ぎて、私の様な老人にはちょっと見辛いでしょう。たぶん360度が、丁度良い分割数なのでしょう。

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