時系列データ処理の沼にハマる。
ネットスラングに”沼にはまる”という表現があります。これは「夢中になって抜け出せない」状況を指すようです。この表現は肯定的な場面でも使いますが、自虐的な”否定の意味で”使われているみたいです。
私は今、”時系列データ処理の沼”にハマっています。現在推進中のMT法のプロジェクトでは、自然の電磁場の変動から地下の状態(比抵抗分布)を推定します。このとき、時々刻々と変化する時系列データから、必要な情報を抽出する必要があります。測定機器で観測される電磁場データには、本来の電磁場の他に様々な要因による人工ノイズが含まれています。このノイズの分離が厄介です。
現在、高周波ノイズの分離に手を焼いています。最初は、「ローパスフィルタをかければ一発で解決でしょ」と思っていましたが、うまくいきませんでした。というのも、欲しい周波数帯のデータとノイズの周波数が重なっていて、周波数領域ではうまく分離できなかったからです。
ランダムノイズは、スタッキングという加算処理で小さくすることができます。ただし、これには条件があって、ランダム誤差の平均がゼロである必要があります。しかし、周波数領域に変換したランダムノイズは、常にスペクトルが大きくなる方向に働くので、周波数領域でのスタッキングでは期待するような効果が得られませんでした。
専門的過ぎて詳しく解説することは出来ませんが、この他にも様々な方法を試みています。最近わかりかけてきたのは、”サンプリング周波数が不足している”のではないかということです。これは根本的な問題なので、慎重な検討が必要そうです。
とにかく、”時系列データ処理の沼”にどっぷりハマっています。いつになったら抜け出せるやら・・・。
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