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伝達関数について

伝達関数とは、「システムの入力と出力の関係を表し、入力を出力に変換する関数」のことで、制御工学でよく出てくる専門用語です。タイトル画のように、ある回路に時系列信号を入力すると、それに応じた時系列の出力信号が得られます。このブラックボックスの関数のことを伝達関数と言います。

伝達関数には、入出力の関係が簡潔に書けるので、ラプラス領域での数式がよく使われます。ラプラス領域は、複素周波数(s)を使って記述できます。タイトル画の伝達関数を使うなら、出力は” C(s)=G(s)R(s) ”、すなわち”出力=伝達関数×入力”となります。

数式の記述ではラプラス変換がよく使われますが、実際にはフーリエ変換した周波数領域の伝達関数が使われます。特にこの時の伝達関数を、”周波数伝達関数”と呼んだりします。ラプラス領域から周波数領域への変換は簡単で、複素周波数sをjωと置き換えるだけです。ここでjは虚数単位、ωは角周波数です。

何でこんな記事を書いているかというと、制御工学の伝達関数が、MT法のインピーダンスと関係があるからです。MT法では、自然の磁場変動が大地に透入し、地面に地電流を誘導します。これは、磁場(=入力)、MTインピーダンス(=伝達関数)、電場(=出力)という関係になります。MT法は、入力信号(磁場)と出力信号(電場)から、未知パラメータである大地のインピーダンスを求めることに帰着します。

制御工学の場合には、入力信号や出力信号にノイズが混入することもありますが、それほど大きなノイズではありません。ただし、自然相手のMT法では、入力信号(磁場)にも出力信号(電場)にも大きなノイズが混入します。

現在、大きなノイズが混入した入出力信号から、伝達関数であるインピーダンスを精度よく推定する方法を見つけるために、悪戦苦闘しています。

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