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地震発光は地震の前兆現象か?

2023年9月8日深夜にモロッコを襲ったマグニチュード6.8の地震が発生する前に、”地震発光”と呼ばれる現象が目撃されたそうです。この現象は古代ギリシャの時代から、何世紀にもわたって世界各地で記録されているようです。タイトル画は、メキシコ市で目撃された光(写真の左上)です。

地震発光は、普通の雷のように見えることもあれば、極地のオーロラのような大気中の発光帯に見えることも、宙に浮かぶ光る球体のように見えることもあるのだそうです。また、地上付近で小さな炎が点滅したり、大きな炎が地面から現れるように見えることもあるのだそうです。私は残念ながら、そのような不思議な発光現象は見たことがありません。

地震に伴って、空で様々な色に輝くこの現象に、科学者は頭をひねってきました。この現象は”確かな事実”らしいのですが、その科学的なメカニズムについては今も一致した見解はありません。信頼できる地震発光現象の報告に関連した米国と欧州の65回の地震について1600年にまで遡って調べた研究では、地震発光の約80%はM5.0を超す地震で観測されました。殆どの場合、地震発光は地震の直前か揺れている間に、震源から600kmまでの範囲内で目撃されていました。

大きな地震は主に地殻プレートの境界部分やその周辺で発生しますが、この研究によれば、発光現象に関連した地震の大多数は、境界ではなく地殻プレートの内側で発生しているそうです。さらに、地震発光は多くの場合、地殻が引き裂かれて2つの高地の間に形成された地溝帯の近辺で発生していることが分かったそうです。

地震発光のメカニズムに関しては決定打はないようですが、高圧による岩石の格子欠陥が電荷を発生させるようなメカニズムが考えられています。また、岩盤の破壊によって静電気が生じるなどの説も提唱されています。珍しい現象だけに、その解明は難しいようです。

私は何度か大きな地震を経験していますが、地震発光は見たことがありません。地震は嫌ですが、珍しい現象なら一度は見てみたいものです。




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