秋の気配がチラホラと
まだまだ暑い日が続いていますが、秋の気配というか夏の終焉を感じることがあります。これまで煩いほど鳴いていたセミの合唱が、心なしかトーンダウンしてきました。最盛期は朝の6時台から鳴いていたクマゼミも、すっかり影を潜め、街路樹がある歩道ではクマゼミの亡骸を見ることも多くなりました。
セミの声が小さくなったためか、草むらで鳴く虫の声が少しづつ聞えてくるようになりました。古来より、秋の虫の鳴き声は和歌などにも言及され、日本最古の歌集である『万葉集』にも、虫(こほろぎ)を詠んだ歌が収められているそうです。俳句では虫は秋の季語らしいです。
日本の人々と虫との付き合いは長く、平安時代になると、虫を庭に放して声を楽しむ”野放ち”や、野に出て鳴き声を聴く”虫聞き”などが雅な貴族階級の間で盛んに行われたようです。この風習は、江戸時代には庶民にも広がり、現在に至っています。
あとひと月もすれば猛暑も終わり、虫を愛でる余裕が出てくるかもしれません。今はそれどころではありませんが・・・。
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