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ペロブスカイトという結晶構造

日本語では灰チタン石とよばれるペロブスカイト(perovskite)は、ロシアの鉱物学者・ペロフスキーにちなんで命名された鉱石です。この鉱石の主成分であるBaTiO3(チタン酸バリウム)のように、R+M+O3 という3元系から成る遷移金属酸化物などがとる結晶構造を、ペロブスカイト構造と呼びます。

実は、地球内部における主要な化学組成である MgSiO3 は、地下約660kmから約2,700kmのマントル下部において、ペロブスカイト構造をとっていると考えられています。つまり、ペロブスカイト構造は地球では一般的な結晶構造なのです。この深度の地下では、地圧が数十GPaを超える超高圧の環境なのですが、この構造には原子を稠密に詰め込むことができるため、ペロブスカイト構造になっているようです。

地球の地下深部では一般的なペロブスカイト構造が、地球環境問題を解決するかもしれないと考えられています。それは、ペロブスカイト太陽電池と呼ばれる太陽電池です。この太陽電池には、ペロブスカイト結晶が使われています。

2009年に、桐蔭横浜大学の宮坂力教授らによって、ハロゲン化鉛系ペロブスカイトを利用した太陽電池が開発されました。 当初のエネルギー変換効率は CH3NH3PbI3 を用いたものでは3.9%だったので、あまり注目されませんでしたが、2012年に効率が10%を超えた頃から、”低コスト製造できる”将来的な商用太陽電池として注目され始めました。この太陽電池は、液状の材料を基盤に塗布して製造できるため、これまでの印刷技術が応用でき、低コストでの製造が可能です。

太陽電池も良いですが、『地熱発電』もお忘れなく。

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