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パレートの法則 80%と20%

『パレートの法則』とは、ある特定の要素20%が全体の80%の成果を生み出しているというものです。元は経済学者のヴィルフレド・パレートが考案した経済学上の法則で、所得分布における上位20%の富裕層が社会全体の80%の資産を占めているというものです。

20%と80%は、説明を簡単にするためのザックリした数値ですが、コロナ禍以降、”富の集中”はさらに加速しているようです。2021年の統計では、上位10%の富裕層が、世界の富の75.5%を占めています。もっといえば、超富裕層1%が世界資産の40%を独占しています。TwitterをXに変えたイーロン・マスクさんは確実に上位1%に入っているでしょうが、私は上位10%には入っていないでしょうから、残り24.5%のグループに含まれていることになります。

現在、上位2割が全体の8割を占めているというパレートの法則はビジネスやマーケティングで応用されています。かつて、SONYブランドを世界に知らしめたWALKMAN(ウォークマン)というカセットプレーヤーがありました。これは再生機能に特化した小型のカセットテープのプレーヤーでした。

当時は、ラジカセというラジオ機能とカセットテープの録音・再生機能を備えたオーディオセットがありました。ラジカセは若者の間で普及し、小型でコンパクトなものも現れましたが、ラジオとカセットテープレコーダーという2つの機能を持たせるために、小型化に限界がありました。しかしソニーは、音楽再生という20%の機能に絞ったウォークマンを開発しました。

1979年発売のウォークマンの一号機

これが大当たりしました。当時の有名な指揮者・カラヤンが発売後すぐに購入したことでも話題になりました。ラジカセがあれば、ラジオ番組から楽曲を録音できますが、録音機能はラジカセの使用時間のほんの一部でしかありません。実際は、録音したテープを聞くのに80%以上の時間を使っていました。

ものづくりをする時には、ついつい便利な機能を盛り込みたくなりますが、実際によく使うのは一部の機能だけです。普段使っているスマホには多くの機能がありますが、やはり使っているのは限られた機能だけです。

”機能を絞る”というコンセプトと真逆なのが、アーミーナイフ( Army Knife)です。アーミーナイフは、マルチツールナイフ、キャンピングナイフ、多機能ナイフ、マルチパーパスナイフ、十徳じっとくナイフとも呼ばれます。たしかスイスでお土産に買ったことがあるので、家のどこかにはあると思いますが、今まで一回も使ったことがありません。

アーミーナイフ


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