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宇宙で質量を測る方法

宇宙空間は”無重力”だと言われますが、厳密に言えば僅かな重力が存在します。ただし、その大きさはかなり小さいので、実用上は”無重力”と考えて問題ありません。

ところで、宇宙で質量を測りたい場合はどうしたらよいのでしょうか?。無重力になっても、質量が無くなったわけではありません。質量自体は、地球上でも宇宙空間でも全く同じです。地球上では重力が大きいので、バネばかりを利用することができます。しかし、宇宙空間は微小重力環境なので、バネの伸縮は利用できません。では、どうしたらよいのでしょうか。

答えを聞けば「なるほど!」と思う人と「・・・?」と思う人に分かれると思います。宇宙空間で質量を測るには、『バネによる振動を利用』します。バネに錘(質量)をつけてバネを振動させるとバネは振動しますが、その時の振動数は”バネ定数と質量”に依存します。つまり質量は、一端を固定したバネにつないで振動させ、そのときの振動周期を測れば、間接的に測定することができるのです。このとき、重力は関係ありません。

宇宙飛行士の健康管理上、体重の測定は重要です。実際、宇宙での体重測定にはバネを使ったこの方法が使われています。下の写真の青いジャッキみたいなものが体重計です。これはロシアが開発したもので、宇宙飛行士が片側に乗ってバネを圧縮した後、バネが解放された時の1秒あたりの変動つまり周波数を計測します。その周波数から、質量が逆算できます。

中央の青いのが”宇宙体重計”

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