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ノイズの話 白いノイズやピンクのノイズ

身近なノイズを言えば、騒音などの音のノイズです。このような音響ノイズは、音楽を聴く時には邪魔になります。最近は、音響ノイズの除去技術が進んでいて、市販のイヤホンにも”ノイズキャンセラー”機能があるものが売られています。

ノイズキャンセラーは、マイクで騒音を測定し、その騒音と逆位相の人工騒音をイヤホンに加えることで音響ノイズを小さくしています。同じ振幅の同じ周波数の波を、位相を反転させて合成すると、振幅ゼロの波になります。これは、音の波動の性質を利用した技術です。

私が現在取り組んでいるMT法のプロジェクトでは、音響ノイズではなく電磁ノイズが問題になります。そもそもMT法は、自然の電磁波を観測する受動的な探査法なので、信号と考えている電磁波自体がノイズのような性質を持っています。これが、受動的な探査手法の難しさにつながっています。

電磁ノイズの分類法には色々とありますが、電磁ノイズの周波数スペクトルの違いから”色の名前”を冠したノイズがあります。ホワイトノイズはランダムなノイズで、周波数スペクトルに分解すると、低周波から高周波にかけて広範囲に、ほぼ一定のスぺクトルを持ちます。

周波数は英語でfrequencyなので、周波数はfというパラメータで表現されます。ピンクノイズというのは、1/fノイズとも呼ばれ、スペクトル密度が周波数fに反比例するノイズのことを指します。1/fノイズは1/fゆらぎとも呼ばれ、自然の風などが1/fゆらぎを持っているといいます。その他にも、レッドノイズ、ブラウンノイズ、パープルノイズ、グレーノイズなどがあります。これらは、音響分野で使われます。

電磁探査で関係するのは、様々なノイズ源をから発生するランダムノイズとコヒーレントノイズです。ランダムノイズは、ホワイトノイズやピンクノイズなど性質を持っていますが、コヒーレントノイズは特別な性質を持っています。コヒーレントノイズの発生源は電線などの人工物で、その周波数も限定されています。西日本なら60Hzだし、東日本なら50Hzのノイズが入ります。

現在、電磁場の時系列データに含まれるノイズと格闘中です。

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