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ミリしら物理探査

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物理探査を1ミリも知らない人に、物理探査に関する専門用語を解説します。
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#地磁気地電流法

ミリしら物理探査#20 磁気嵐

 地球全体にわたる激しい地磁気の擾乱現象を磁気嵐と言います。磁気嵐は、太陽から飛来するプラズマ (太陽風 ) によって引き起され、そのプラズマ流が地球の磁気圏を圧縮するために生じると考えられています。プラズマ流の一部は、地球の磁力線に沿って極地方の上空から入り込み、オーロラを引き起こします。  大規模な磁気嵐の多くは、太陽フレアに伴なうコロナ質量放出と呼ばれるプラズマの塊と関係があります。このような磁気嵐は、太陽フレアの発生から1~数日後に観測され、太陽フレアが太陽黒点の活

ミリしら物理探査#4 『MT法』

 MT法は、日本語では地磁気地電流法と言います。名前が長いので、通常はmagneto-telluric(地磁気-地電流)の二文字を取ってMT法と呼びます。  地球は大きな磁石なので、地磁気という大きな磁場に常に晒されています。しかも、この磁場は一定ではなく、様々な要因で常に変化しています。その一つの要因が、大気中で起きる雷の放電現象です。雷が発生すると、その電磁波が電離層の間で共振して、特定の周波数成分が大きな磁場変動が生じます。これが、シューマン共振という現象です。