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ミリしら物理探査

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物理探査を1ミリも知らない人に、物理探査に関する専門用語を解説します。
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#SP法

ミリしら物理探査#28 自発分極と強制分極

 まずは分極の説明をします。電気などの分極とは、正の電荷と負の電荷が、何らかの原因で物質中で偏ることを指します。通常の状態では、物質中では正の電荷と負の電荷が均等に混ざっているので、”電気的に中性”になっています。ただし、この電荷の偏り、つまり分極が生じると電気的に中性ではなくなります。  自発分極(spontaneous polarization)というのは、何も手を加えなくても勝手に分極をしている電気的な状態を指します。身近なもので説明すると、自発分極の代表選手が電池で

ミリしら物理探査#3 『SP法』

 SP法のSPは、Self Potential(自然電位)の略で、日本語では自然電位法です。またSPは、Spontaneous Polarization(自発分極)の略語とも言われています。  ある種の鉱床(硫化物鉱床やグラファイト鉱床)は、自然状態で分極しているので、地下で自然の電池のような振る舞いをします。そのため、ある基準点からの自然電位を測定すれば、鉱床の存在範囲が推定できます。SP法は、このような自然発生する電位に着目した方法です。  SP法は電気探査の一種です