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ミリしら物理探査

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物理探査を1ミリも知らない人に、物理探査に関する専門用語を解説します。
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#電磁探査

ミリしら物理探査#7 『ナノテスラ』

 テスラ(T) は、MKS単位系の磁束密度の単位です。このテスラは、磁気探査や電磁探査の磁場の単位で使われますが、1Tはかなり大きな磁束密度なので、通常はTの百万分の一の単位μT(マイクロテスラ)や、さらに千分の一にしたnT(ナノテスラ)が使われます。このテスラという単位は、アメリカで活躍したセルビア人の発明家であるニコラ・テスラ(Nikola Tesla)に由来しています。  テスラは、LIFE誌の1999年の「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に

ミリしら物理探査#4 『MT法』

 MT法は、日本語では地磁気地電流法と言います。名前が長いので、通常はmagneto-telluric(地磁気-地電流)の二文字を取ってMT法と呼びます。  地球は大きな磁石なので、地磁気という大きな磁場に常に晒されています。しかも、この磁場は一定ではなく、様々な要因で常に変化しています。その一つの要因が、大気中で起きる雷の放電現象です。雷が発生すると、その電磁波が電離層の間で共振して、特定の周波数成分が大きな磁場変動が生じます。これが、シューマン共振という現象です。