マガジンのカバー画像

物理探査のデータ解析

9
物理探査データの解析法に関する記事をまとめました。
運営しているクリエイター

#シミュレーション

数値計算の境界条件について

コンピュータの進歩に伴って、有限要素法や有限差分法を使った数値シミュレーションが、比較的簡単にできるようになりました。私が学生の頃は、2次元のシミュレーションを”大型計算機センター”でやっていました。たぶん、この頃の大型計算機よりも、今のパソコンの方がメモリも多いし、計算速度もかなり速いと思います。 数値シミュレーションも、複雑な3次元形状が扱えるようになり、昔は一部の人しかできなかった計算が、パソコン上でもできるようになりました。いまでも、有限要素法(FEM) や有限差分

電磁探査の有限要素法を理解したい

これまで有限差分法に始まり、有限要素法、境界要素法、と次々とプログラムを作ってきました。最初に作ったプログラムは、差分法による電気探査の2次元シミュレーションプログラムでした。そのころは、大型計算機も非力で、大きなメモリーが取れなかったため、反復法を使ったプログラムを書きました。 ところで”有限差分法”という名称は、今では一般的ですが、昔は”有限”が付いていないシンプルな”差分法”と呼ばれていました。現在の有限差分法は、有限要素法に近づけた日本語名称のバージョンアップです。

プログラミングとシミュレーション

複雑な物理現象や自然現象を解明する場合、最初にすることは”現象の規則性を見つけること”です。不規則な現象の場合、その現象を簡単には解明できませんが、あるルールに基づいた規則性があれば、それを数式にすることができます。科学では”モデル”という言葉を使いますが、最初の現象が”物理モデル”で、それを数式化したものが”数学モデル”です。ここまでの作業は手作業です。 現在、多くの物理現象が数学モデル化されています。数学モデルで出てくる数式が微分方程式や偏微分方程式です。一方向にしか物