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物理探査のデータ解析

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物理探査データの解析法に関する記事をまとめました。
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#弾性波探査

地震波干渉法

 地震波干渉法は、スタンフォード大学のクレアボー教授のアイデアが元になった新しい弾性波探査法です。  この理論を簡単に言ってしまうと、”地中にある様々な振動を地表で観測し、その記録の相互相関を取ることで地表に人工震源を設置した場合の反射波記録を合成できる”というものです。これは地中に満ちている雑音と考えられている波動(都市部であれば地下鉄などの交通機関や、人間活動が作り出す振動、火山地域であれば火山性の微動、波浪による振動、また地震の場合は、本震や余震などなど)を観測し、そ

地震波トモグラフィ

 地震波トモグラフィとは、地震波の伝播時間を用いて地球内部の3次元速度構造を求める手法のことです。生体内や物質を非破壊的に観察するために、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴(NMR)、ガンマ線などを用いるように、地震波を用いて地球内部を観察することができます。  この方法は医学のX線CTと原理は同じですが、X線CTが人体の密度の分布を画像化するのに対し、地震波トモグラフィでは、地球内部を通る地震波の速度の分布を画像化します。現在のところ、地球内部を数十キロメートルから