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ぶったん四方山話

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これまでに経験した物理探査にまつわるエピソードを紹介します。
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#電線

物理探査の必須テクニック 8の字巻き

電磁探査や電気探査では、機器に接続する電線やケーブルが必要です。電気探査の必須アイテムの記事でも説明しましたが、電線やケーブルを上手に負けることは、測定準備の効率化にもつながりますし、測定終了の作業の迅速化にも役立ちます。 電線やケーブルの巻き方には、いくつか種類がありますが、大別すると『順巻き』と『逆巻き』です。また、順巻きと逆巻きを組み合わせた『8の字巻き』があります。 順巻きは、同じ方向に繰り返し巻き続ける方法で、一般的な巻き方です。巻いた状態で売られている市販のケ

電気探査アルアル 感電に注意

電気探査では、トランスミッタと呼ばれる装置で、地中に電流を流します。その時の出力電圧は数百ボルトで、電流も数アンペア、場合によっては10アンペア以上流れることもあります。 市販の電気探査装置が流す電流は、通常は数十ミリアンペア程度なので、感電してもほとんどわかりません。しかし、深部探査を目的とした電気探査の場合には、大型のトランスミッタを使って数アンペアの大電流を大地に流します。そこで、機材に触れたり、電線を間違って触ったりすると感電の危険性があります。 私は電気探査の実

電気探査の必須アイテム#3 ニッパー

電線、ビニテと来れば、次の必須アイテムはニッパーです。ビニテ(ビニールテープ)は手で引きちぎれますが、ビニール電線の被覆は、手では剝けません。ニッパーは、”電線の皮むき”のために重要なアイテムです。 電気探査では、長い距離の電線を張って測定しますから、電線と電線の接続が必要です。この時は、接続する電線の被覆をニッパーで取り除き、中の銅線を剥き出しにします。その後、銅線同士を縒って(ネジネジして)接続し、接続部分をビニテで補強&被覆します。電線同士の接続にも、細かいノウハウが

電気探査の必須アイテム#1 電線(ビニール線)

電気探査の必須アイテムのNo.1は、何と言っても”電線”です。電気探査では、地面に電気を流したり、地表の電位差を測定したりするので、電線が無ければ探査は出来ません。よく使うのは、ビニール絶縁電線(ヨリ線 2.0㎟)の 300m巻です。現在の価格だと、300m巻き1巻で2-3万円くらいです。 流電電位法や流体流動電位法では、遠方にある基準電極との間の電位差を測定する必要があるので、基準電極から本部までの距離が数kmになることもザラです。通常は3-5kmくらいの遠方に基準電極を