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ぶったん箸休め

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物理探査のことを略して、物探(ぶったん)と呼びます。ここでは、物探とチョッとだけ関係ある話題を集めました。智の箸休めです。楽しんで下さい。
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#磁気探査

『自衛隊の裏側ぜ~んぶ見せちゃいます!』から問い合わせがありました。

今日の午前中、『自衛隊の裏側ぜ~んぶ見せちゃいます!』(テレビ東京系列)という番組を作っている制作会社のスタッフさん(ADさん?)から電話がありました。会社名は電話で聞いてはいますが、覚える気がなかったので忘れてしまいました(笑)。短い電話の中では番組の内容を説明してもらえませんでしたが、問い合わせ内容は不発弾に関することでした。 「日本にはあと何年分くらい、不発弾が残っているのでしょうか?。先生のご意見をお聞かせください」という質問内容でしたので、「私の意見ではありません

ソロモン諸島で不発弾 沖縄でも・・・

数日前、ソロモン諸島での不発弾処理の支援(専門知識の供与)のため、防衛省の自衛隊職員がソロモン警察に派遣されるという記事を読みました。 ソロモン諸島には、太平洋戦争の激戦地・ガダルカナル島があります。戦後からすでに75年が経過していますが、いまだに大量の砲弾などが不発弾として残されています。その数は、100万発とも推定されています。この不発弾は、爆発の危険性があるだけでなく、経年劣化しているため、有害な化学物質が浸出していることもあるのだそうです。 現地では不発弾の爆発で

考古学は答えのない謎解きだ!

考古学はしばしば、謎解きに例えられます。そのため、『考古学の謎解き』や『考古学は謎解きだ」などのタイトルの書籍も出版されています。そもそも、数百年から数千年も前の話なので、かなり確実な証拠がない限り、本当のことは土壌が分かりません。また、今まで本当の事だと信じられてきたことも、新しい証拠が出てきたら一気に仮説が覆ることも少なくありません。 私は、地下資源の探査の他に、遺跡探査の研究もしています。こちらの研究はメインではないのですが、県や市町村などの地方自治体に頼まれることが

遺跡探査へのいざない

 私はガチの理系ですが、なぜか考古学が好きで、物理探査の応用の一つとして遺跡探査の研究も行っています。遺跡探査によく使われるのは磁気探査や地中レーダ探査です。磁気探査は地中に埋まった鉄製品を見つけるのに威力を発揮します。また、地中レーダは深さ2m程度なら、高分解能で地下を可視化できます。  現在、遺跡探査というと、地中レーダを思い浮かべる人が多いかもしれません。これは早稲田大学の教授だった吉村作治先生の影響が大きいと思います。最近はテレビであまり見かけませんが、『世界ふしぎ

不発弾、埋めてます!!

 九州大学の伊都キャンパス内の野外実験フィールドには、不発弾を埋めています。でも安心して下さい。本物ではありません。本物そっくりに作った、模擬不発弾です。  図中の青く塗られたモノが、50キロ爆弾の模擬不発弾です。もちろん火薬や信管は入っていませんが、爆弾の材質、重さ、形状はそっくりに作っています。50キロ爆弾の他にも、2.5インチ砲弾を埋めています。これらは、磁気探査による不発弾探査の効率化の実験をするために埋設しました。現状では雑草が繁っていますので、まずは草刈りが必要