映画を観た記録33 2023年4月9日   ミキ・デザキ『主戦場』

Amazon Prime Videoでミキ・デザキ『主戦場』を観る。

慰安婦問題を巡っての歴史修正主義者を含む右派の主張がいかにバカバカしいかあぶりだされてくるドキュメンタリー映画である。

修正主義者のリーダー役が加瀬英明であるのだが、加瀬は、吉見義明氏も秦郁彦氏の名前も知らない勉強不足の自称・歴史家であった。インタビューで私は他の人の本を読まないんですよと堂々と発言し、教科書は明るいことがかかれていればいい、とか、韓国人は騒ぐ子供のようでかわいい、とか、中華人民共和国が滅びれば韓国は日本に頼ってくるから日本はそのとき紳士国家が証明される、とかまったく謎の発言をインタビューでしていた。

ほかに藤木というアメリカ親父の関係者らしき日本人はフェミニストは顔がぶさいくとかいって公然と差別発言をしている。

とにかく、修正主義者たちは、ほかに櫻井よしこにしても杉田水脈にしてもケント・ギルバートにせよ、支離滅裂である。

本作品は修正主義者たちだけを対象にはしていない。

吉見義明氏や、中野晃一氏、ほか女性人権活動家たちも対象に収める。また、戦争を生き延びた現在95歳の元衛生兵の松本さんも対象に収め、とても重みのある発言を引き出している。元衛生兵の松本さんは、戦前の日本には女性には人格はなかった、と述べている。

韓国の法学者の方は1965年の日韓基本条約で戦争中のすべての問題は解決済みだという日本政府の主張に対し、1992年に判明した慰安婦問題が1965年の日韓基本条約で解決というのは論理的に説得力がない、と述べている。

とにかく、慰安婦問題について、いかに日本の修正主義者がバカバカしいのか、わかる映画である。

それにしても、一般人で、ごく普通そうな日本人まで靖国神社に参拝するのはどういうことだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?