音楽と建築
自己紹介②で書いたように、大学生時代DJをしていた僕はDJという音楽を繋げていく作業の中に建築的要素を感じていました。
音楽的思考
DJを始めた当初、ロックが好きで、好きな曲を流して、終わりそうになったら次の曲に切り替える、カットイン、カットアウトという手法で曲を繋げていました。
それから、ヒップホップやR&Bなどを聞くようになり、スクラッチ、そしてビートを合わせて繋げていくミックスという手法を使うようになりました。こうして、ダンスミュージックの虜になっていったのです。
その後、ジャズ、ドラムンベース、ハウスと様々なジャンルの曲を聞くようになり、最終的には、ハウスミュージックをベースにした、様々な選曲をするようになりました。
様々なジャンルの曲を聞くようになり、僕が興味を持ったのは、曲を構成する要素です。
ボーカル、ギター、ベース、ピアノ、ドラム、パーカッション、バイオリンなど弦楽器、フルートなどの管楽器etc...
当たり前だけど、たくさんの要素(楽器)の組み合わせにより曲ができていることに注目しました。
そして、要素を分解して考えることで、改めてDJとして面白みを見出したのです。
例えば、曲Aのボーカルのみを流し、曲Bのパーカッションを加えていくことで自分だけのアレンジの曲ができます。
また、それをどのように繋げていくかというところも大切でなところ。
高音、中音、低音や全体の音量など、その瞬間瞬間で音のバランスを取りながら、曲をミックスしていきます。
このような、細かな作業こそがその場の雰囲気を作り、心地よい空間を演出するのです。
それは、まさに建築を作る思考そのものでした。
建築的思考
クライアントからの要望と敷地の周辺環境などの要因を紐解いて、様々な手法を用いて組み合わせていきます。
そして、その建築にふさわしい素材を選び、設えを考えながら、空間を整えていくのです。
建築は、その細部を丁寧に作ることで、考え抜かれた空間にしかない雰囲気を醸し出していくもの。
それは、何よりそこにいる人に対して心地よさや、包まれるような優しさを与えるものだと考えています。
DJをしていたころ、なんとなく考えていたり、こだわったりしていたものは、今も変わらず僕の中に根付いていることに驚きながらも、やはり、ディテールにこだわって仕事をすることが好きなところは、これからもずっと曲げない部分だと思います。
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