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エフェクターボードを自作する

メインとなるエフェクターボードがもう一台あっても良いなぁと思い(ツアーに預けちゃうとメインがなくなっちゃうし)、久しぶりにエフェクターボードを自分で作るところからやってみる制作記録です。ちなみに昔はお風呂のすのこでボードを作ったり、エフェクターケースを改造してハンドルとキャスターを付けたりしたこともあります笑

現メインボード。ハードケース付きペダルトレイン(でかい重い)
GT-1000を中心に、歪みはOD-Five CFPとFountain。
(こちらはこちらで現在Ovaltoneさんにリメイク依頼中)

今のメインボードもコンパクトにまとまった良いボードなんですが、今後気軽にペダルを増やしたり変えたりってできるボードがあっても良いかなぁと。というわけで早速制作スタート!


1.材料購入編

ボード作りは、まずボードが入るケースを決めるところからスタートするのがオススメ。ボード自体はいうてただの板なんで、持ち運びするケースを決めておくのが大事。今回はBagncaseのこちらを選択。

中のスポンジも追加して約3万円かぁ…!

取手付き、キャスター付きというのに惹かれました。早速届いたものを確認するが、まぁでかいよね笑 走行性能はひとまず良さげ。思ったよりずっと軽いです。

中のスポンジはオプションで追加しました

ではでは早速ホームセンターへGO!

こんくらいのサイズラインナップと価格感です
今回ケースが内寸68×47.5(cm)なので、こちらの板を買います
バッグ内寸が68×47.5(cm)とのことだったので、5mm引いた67.5×47(cm)にカットしてもらいます。1カット40円。正確に寸法出るのでお店カットがオススメです。
カット完了。残った板材もなんかで使います
マジックテープ(面ファスナー)。これが意外と高いです。
今回こちら1m1080円のやつを3m買いました。
ボード用の持ち手。手すりとか取手のコーナーにあります。
端面を黒く塗る用にこちらを買いました。スプレー式の方が早く塗れるかも?
その他ゴム足、奥側のペダルを踏みやすくする&配線を下通せるようにかさ上げ用の木片も購入

2.ボード制作編

ではでは早速作っていきたいと思います。まず利用するのはホームセンターの無料工作コーナー。工具も揃っているし、何より掃除が楽。最高です。

下の戸棚の中にもわんさか入ってます。ドリルの刃とかやすり、キリ、ドライバーなど
 ボードの四つ角は引っかからないようにちょっとカットしておきます。
カットしたら軽くやすりがけ
取手用の穴あけ。ネジがM4だったので4mm穴を空けます。斜めにならないように注意!
取り付け完了。良い感じ!
この後面ファスナー貼ったり黒く塗ったりするのでいったん取り外しておきます。
帰宅!早速ケースに入れてみます!おおーめっちゃぴったり!!内寸-5mmで大正解。
ラッカーでぺたぺたと端面を黒く塗っていきます。何気に時間かかります汗
まぁ音楽でも聴きながら地道にぺたぺた。DIYを楽しみます。
ペダルかさ上げ用の木片も。ちなみにつるつるした化粧面は、一個ちょっとインクたっぷりに塗ってから、他の木片とこすり合わせるとあっという間にそれぞれキレイに塗れます笑
面ファスナーを貼っていきます。しわになったりずれたりしないように、片方を引っ張りながら裏紙を剥がしつつ貼っていきましょう
貼り付け完了
隙間も黒く塗っておきます。スプレーでガーっと全体塗っておけば早かったかも。
まぁ今回スプレーできる場所に移動&準備がめんどくさくて汗
取手をネジどめして完成!
ボード裏面にはゴム足×8
ケースに入れるとこんな感じ。おおーうれしー!
とりあえず仮置き。後は電源とかMercavaを追加予定。Volペダルは一個でいいかな。

はい!というわけでここまではボード本体を作るところまででした。
さてさて気になるお値段ですが、

・板&カット:3,568円
・面ファスナー 3m:3,240円
・黒ラッカー:547円
・取っ手×2:1,070円
・ゴム足8つ:322円
・木片×4:132円

というわけでボード代 9,011円でした。
ケース(クッションオプション、送料込み)は31,860円です。ツアーに預けたりするにはハードケースである必要があるので、高いのはまぁしゃーなし。サウンドハウスのこういうバッグとかに入るように作ると安くてオススメです。

3.ペダルを並べて動作チェック

今回GT-1000COREとOD-Five CFPは操作の都合かさ上げしたいので、木片に面ファスターを面裏貼って台とします。結果この隙間をケーブルが通過できるので配線も少し楽になります。

かさ上げ&トンネル設置完!
具材を並べて電源をつなげます。右のご新規ペダルはBIGSBY Pedalといってアームがないギターでもアームアップ/ダウンができてしまう面白ペダル。

今回給電したい具材は全部で9つ。パワーサプライはDC-8を使用(値段おかしいことになってますね汗)。1000mA出力が2口ついていて、GT-1000COREとスイッチャー はコレから給電します。あとは300mA出力が6つで、1口足りないのでBOSS TU-3sからタコ足でひとつ給電しました。

買った当時は4000円とかでした。めちゃめちゃ便利です。
現在ケーブルの数が全然足りないので笑、とりあえず手持ちのFree the toneケーブルをあるだけかき集めます。こちらのチューナーのケーブル通電チェックが便利です。
2つくらい断線してるものがあったので作り直しました。
つなげられるものだけつなげてひとまず動作チェック!無事音出しOKです。
OD-Five CFPのRemoteとスイッチャー のコントロールをつないで、スイッチャー からCFPのチャンネル切り替えを操作できるようにします
GT-1000COREのパッチ切り替えはスイッチャー からMIDIで切り替えます。 GT-1000COREは空間系、FX系、Vol管理、Wahなど全般を担います。
パッチケーブルはこんな感じでケーブル長さを測っておいて、欲しい長さをOvaltoneにオーダーしておきます。

4.全体結線〜完成へ

Ovaltoneからブツがいろいろ届いたので、いよいよ本格的に結線していきます。

音が良くなるパワーサプライことOvaltone Tone Volt。DC-8の上に面ファスナーで固定。
アナログ系ペダルはTone Voltから給電するようにします。
アダプター2つ必要になったので、こんな感じで電源タップを配置。ちなみにアダプターの白がなんか目立つなぁと思い、後ほど前述のラッカーで黒く塗っちゃいました
とにかく配線をきれいにまとめるにはケーブルタイが便利。
アダプターの根本など断線しやすいところなどは、
先を縛って負荷が集中しないようにしておきます。
まずは電源ケーブルあらかた配線完了!
届いたパッチケーブル達がこちら!計14本!Ovaltone Dark Horse Standard Ⅱです。
パッチケーブルをせっせと接続して、、、


どどーん!完成しましたー!

思ったよりプラグ長があって当初想定していた場所にGT-1000COREが入らなかったので、OD-Five CFPと場所を入れ替え。無事まとまりました!

GT-1000COREとOD-FIVE CFPの下をケーブルが通せるようにしたのが、スペース的にはかなり効きました!
狭いところはなかなかの3次元配線
ES-8→GT-1000COREにはMIDIケーブル(3.5mm TRS)で接続してパッチ切り替え。

一番右側のペダルのところは自由入れ替えエリアとして、その都度好きなペダルを置けるようにケーブル類余裕持たせてます。信号の流れは次の通りです。

ギター →バッファー兼ジャンクションボックス(ギター2本セレクター)→ES-8 In

Loop1:自由(写真ではGamechanger AudioのBigsby Pedal)
Loop2:BOSS CP-1X(コンプ)
Loop3:Ovaltone Mercava(ブースター)
Loop4:未使用
Loop5:Ovaltone Fountain-HS(オーバードライブ)
Loop6:Ovaltone OD-Five CFP(2ch ディストーション)
Loop7:未使用
Loop8:GT-1000CORE(マルチエフェクター)

ES-8 Out → ジャンクションボックス → ギターアンプ

ES-8は内部で接続順入れ替え可能なので、Loopの順番はそこまで気にしなくて良いのですが、一応こんな感じで。Loop4&7を空けたのは特に意味はないんですが、まぁ今後なにか増やしたくなったら。

前述しましたが、GT-1000COREのパッチ切り替えはES-8からMIDIで切り替えます。GT-1000はディレイ・リバーブに加えて、コーラスやトレモロその他のFX系、ボリューム管理など一手に担います。フットスイッチFS-7は、GT-1000のディレイタップ、ワウのOn/Offにしてます。

組み上がって即日現場投入!ノイズもなく無事問題なく動作!
この日の自由入れ替えエリアはBOSS SY-1(ギターシンセ)

まずは仕事で無事使えそうなので一安心。Ovaltoneの電源&ケーブルが効いているようでめちゃ音がクリア。かつ情報量がしっかり多いサウンドに。ノイズも問題なさそうです。

実際使ってみるとFS-7(フットスイッチ)はもっと高さがあった方が踏みやすいなとか、もっと言えばスイッチャーのすぐ上に欲しいなとか、より使いやすくしたくなる欲求が生まれてきますね…。まずはここをベーシックに今後必要に応じてカスタマイズしていきたいと思います。というわけで一旦Ver.1.0完成です♪  

5.改良編〜2階建へ増築

先日リハで使ってみた感想として、GT-1000CORE、FS-7までが遠い…!普段GT-1000を使っていてすっかりカレントナンバー機能(もう一回踏むと何か、が設定できる。僕の場合はもう一回踏んだらDeley On/Offできるようにしている)に慣れきった体に。演奏中に「ああなんかめんどいから踏まなくていいや」ってことが数回あったので、これは良くないなと…。

GT1000COREのCTL1をDelay On/Off、FS-7のBをDeley Tapにしてるんですが、基本足の位置はVolumeペダルのところにいるのでちょっと遠い

というわけでやはり理想はES-8の右上直近にGT-1000COREとFS-7がある状態なので、ES-8のプラグ類をカバーで覆って2階建に増築することにします!

まずはプラグ上部までの長さを測って、プラグをよける台座の寸法を決めます。
木材はボードをカットした残りの切れ端を使います。
カット&ペースト。カットは例によってホームセンターでやってもらいました。
長さの測り方をうっかりミスって1センチ弱高さが足りなかったので、薄い板材を重ねて貼って高さ調整(^^;) 
なんとかごまかせました笑 台座完成。
それでは早速
台座ON!おおーー!!ケーブル類がいなくなると途端に広くなりますね。
配線がめちゃ楽ーー!!


どどどーん!Ver.2.0完成!!

遠かったスイッチ達がめちゃ近くに!ケースも高さに余裕があったので大丈夫でした!

というわけで人生初の2階建ペダルボードに足を踏み入れてしまいました!早速明日から実戦で使ってみたいと思います♪

追記:有形ランペイジのリハーサルでStrymon MobiusのDestroy(ビットクラッシャー系の音色)を要求されたため、2階を増築して追加しました。

無計画な増築に、いずれ違法建築物件と訴えられても仕方ない笑


●完成お披露目YouTube配信

というわけでこちらのボードを使ってYouTube配信しました。よかったら音聴いてってくださいな。BOSS SY-200開封の儀コーナーもあります笑 


6.電源バージョンアップ編

OvaltoneのToneVoltの効果がすごくて、GT1000とES-8もToneVoltから給電したら音が俄然良くなりました!ということで特注の大電流版ToneVoltをOvaltoneさんから送って頂きまして、電源バージョンアップ編です。

Analog用ToneVolt(通常)、冷却ファン付きのToneVolt(大電流版)、電源タップ兼パワーサプライのFree the Tone PT-1Dを追加します。通常Tone Voltは1階へ配置。2階建仕様じゃなきゃ絶対入りません笑
今回Ovaltone新作のゲインブースト専用ブースター「Mercava」もVer.3に進化させます。これでFountainが入らなくなったので笑、ここも2階建て建築にします
アダプター類はこんな感じで結線。
2階を増築。Mobius乗っけていた台が奇跡的にジャストフィット!
Fountain、TU-3sを配置。きれいにおさまりました。

どどーん!Ver.3.0完成!!

右下のフリースペースは譜めくりスイッチやルーパーなんかを適宜おいたりしようかなと。

こうなりゃチューナーの下にデジタル時計置いたり、ピックケースも仕込んだりしておきたくなりますね。気づけばコンプもシンセもかさ上げされてて、地べたに乗ってるペダルはジャンクションボックスとMercavaだけという…。

●配線とパッチ解説編

あらためまして、このボードの結線と音色パッチについて解説しておきます。信号の流れは以下の通り。(記事先頭から読みたい方はこちら

ギター →バッファー兼ジャンクションボックス(ギター2本セレクター)→ES-8 In

Loop1:自由(写真ではSY-200)
Loop2:BOSS CP-1X(コンプ)
Loop3:Ovaltone Mercava(ブースター)
Loop4:未使用
Loop5:Ovaltone Fountain-HS(オーバードライブ)
Loop6:Ovaltone OD-Five CFP(2ch ディストーション)
Loop7:未使用
Loop8:GT-1000CORE(マルチエフェクター)

ES-8 Out → ジャンクションボックス → ギターアンプ

アナログ系配線。エフェクトチェーンは基本Loop1→8の順で音作りしていますが、ES-8は内部で入れ替え可能なのでLoop1の位置は適宜。写真のようにSY-200を使う場合はLoop2(コンプ)の後にしています。
デジタル系配線。OD-FIveは2ch仕様で、ES-8からのAmpコントロールでチャンネル切り替えができます。GT1000のMIDI OutはMIDI Throughに設定。

Loop8のGT1000は基本ONです(ES-8のOutの後に接続してもよかったのですが、一応外したくなる時にそなえて)。Volume管理とFX系を一手に担います。

GT1000のフットスイッチは適宜変更できますが(写真ではトレモロ、ブースターのOn/Off)、Delay、Delay Tap、WahのOn/Offは基本全パッチ共通にしています。

Bank0(セッション用)のパッチ。Delay、Delay Tap、WahのOn/Offは基本全パッチ共通


●音色パッチ例1:コーラスクリーン

Loop2(CP-1X)
Loop8(GT1000:Chorus、Delay)

●音色パッチ例2:歪みリード
Loop3(Mercava)
Loop6(OD-Five CFP:Middle gain)
Loop8(GT1000:Delay)

●音色パッチ例3:歪みリフ
Loop6(OD-Five CFP:High gain)
Loop8(GT1000:Delayなし、パッチレベル:80)

GT1000のパッチは
1〜5:DelayなしのPatch Level 80〜120
6〜10:DelayありのPatch Level 80〜120
11以降:FX系
にしています。歪みの音量レベル等は各ペダルのつまみで調整できますが、パッチ間の相対的な音量レベル差(バッキングとリードなど)はGT1000のパッチでプリセットしておくことができます。

ちなみにこのボードにStrymon Mobiusなどを加えるときは、GT1000のセンドリターンにつないで、GT1000のパッチの一部として使ったりします。

●音色パッチ例4:シンセリード
Loop2(CP-1x)
Loop1(SY-200:SQR Lead)
Loop5(Fountain)
Loop8(GT1000:Delay、パッチレベル:90)
※Effect ChainはLoop2→1→6→8

SY-200のシンセリードをFountainで軽くクランチさせたリードトーン。バンドの中で弾いてみたら抜けが良すぎたため少しレベルを下げた(Patch LV:90)。SY-200のCTL1でピッチをオクターブアップ/ダウンできる

GT1000とSY-200のパッチはそれぞれMIDIで呼び出します。GT1000はMIDI ch1、SY-200はMIDI ch2に設定すれば、それぞれ別個に制御可能です。


●まとめ
というわけで約1ヶ月に渡って制作してきたペダルボードですが、無事本番も経てめでたくメインボード2号機として完成に至りました!今後もきっと新しいペダルが出たりするたびにちょこちょこマイナーチェンジを繰り返すと思いますが(←ギタリスト沼)、長く使っていけそうなボードができたんじゃないかなと思います。これからボードを作られる方の参考になれば幸いです。


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